十三機兵防衛圏(SW)

クリア後最初の検索で「十三機兵防衛圏 つまらない」で検索してしまった。なぜだ?
細かく練りこまれたストーリー。美しく整ったヴァニラウェアのグラフィック。ゲーム下手でも手ごたえを感じかつ初見でSクリアできる接待バランスのシミュレーションバトル。何もかも気に入るはずなのに、どこか難癖めいた感情が湧いてしまうのはなぜ?

レビューで良く見た「人を選ぶ」という評価だけどさ。普通こういうのって、「出来がビミョーで概ね評価悪いけど、好きなひとは好き」みたいな場合に寄せられるもの。でもこの作品は逆。「完成度高いしみんなの評価もいいけど。ダメなひとはダメ。」なぜだ?

原因はシナリオにある。もちろんいいシナリオよ?緻密で、いろいろなギミックで驚かせてくる。…だけどちょっと多すぎませんかね。大ドンデン返しってのは、ほど良いタイミングで効果的に使うのが良いのだけど、このシナリオはそういう仕掛けが多すぎて、頻出しすぎ。観ていて不感症になるぐらい。
そこをウリにしているのは分かっているけれど、それは一般的ではないと思うの。究明編を紐解く根気がないひとは合わないってことなんだろうね。

もちろん、好きな部分は多いのよ。ナノマシンを使った世界観や、情報のパーツを集めて自分の脳内で全体像を構築させる手法なんてどことなくDTの影響感じるしね。
好きなキャラもできた。制作側が狙ってつくったとしか思えない面白キャラ比治山隆俊、何気に硬派で格好いい(声もいい)緒方稔二、ほとんどヤンデレの領域に入っているような薬師寺恵。そして先日プレイしたパラノマサイトから続くぽっちゃりキャラ、沢渡美和子。この手のキャラはやはりモブキャラ。いや、ほぼ全てのキャラが凝りに凝った設定を背負っているなかで、本当に何もない普通のキャラというのはむしろ貴重!絶対この娘にもものすごい設定が隠されてるに違いない思ってたよ!

音楽は、ちょっとな。ベイシスケイプは世界観にあった作りで定評があるんだけど、キャッチーなメロディが控えがちなので自分とは相性悪いのよね。バトルの背景でアイドルソングを流すなんてマクロスちっくな展開では思いっきり聴かせる歌にして欲しいのに、その歌もなんかおとなしいんだよな。