すずめの戸締り

この作品、基本的にはするするっと観られてしまって、あんまり引っかかるところがなかった。(ダイジンの扱いが惨いという批判はあるようで、それはそうだな)制作側もそれを意識したのか頑張って引っかかりポイントを設けてくれている。まずは日本縦断。地図を提示しつつ、九州から東京を通り東北へ。これは聖地巡りが楽しめそうだ。東京の騒動も街を立体的に把握できていい。後半のドライブでは懐メロとか言って昭和時代の曲がいくつも選曲される。すぐに切り替わっちゃうので曲を堪能とまではいかないが、自分の年代どんぴしゃなので嬉しい配慮。そしてもちろんテーマとしての東日本大震災。わりと具体的なところまで攻めてくるので、実際の被害者がどう感じたのか少し気になったが(ネガティブな意見も読んだ)あれから10年経ってそろそろ落ち着いて触れても良いと判断したのだろう。
新海誠作品としては「君の名は」以降世界展開が目立ってきているので、上記のひっかかりポイントが当事者である日本人以外、海外の閲覧者にどう影響するのかが興味のあるところ。日本の地理に興味を抱いてくれるか、懐メロに引っかかってくれるか。そして震災は。と、海外反応を洗っているわけだ。