最近放送してた実写版のほうね。
仕事的な関係もあったのだけど、やはり興味があったから、というのが大きい。ショウタイムの見逃し配信を駆使しながら、後半は録画、そして最終回は普通にテレビで観た。(この文「家政婦のミタ」と同じ。)
初代アニメ版は1968年放映なので自分は生まれていない。再放送で数話みたことはあるけど、おぼろげな記憶程度。なのであまりアニメ版と比べづらいのだけど、それでもいろいろ改変が目につく。ベラが中年ではなく青年優男風になっているところや、戦う相手が人間なので、「戦う」というより人情話に終始しているところ。本来のベムに近い風貌の「帽子の男」が登場し、物語の鍵を握っているところとか。それらは40年前の作品を現代風にアレンジするにあたり、効果的だったと思う。人間になれなかったものたちと、人間でありながら悪に染まり人の心を失ったものたちとの対比を焦点にあてたのも、「デビルマン」以後としてはまっとうな切り口だ。(デビルマンはかつて人間だったのに対し、妖怪人間はもとから人間ですらないところも残酷さが高い。)
そんななかでラストは心配だった。原作では結局彼らは人間になることなく姿を消している。実写版で人間になってしまったら、原作より一歩踏み込んでしまうことになる。しかし物語の一大テーマだから避けて通るわけにも行くまい。で結末は。
「鉄腕アトム」のオメガ因子的、そして「ドラゴンボール」のピッコロ&神様的な種明かしをしたうえで、結局ベムたちは人間になることを諦める。本当は諦めるべきではなかったと思うし、そうなったラストも観たかったが、原作の世界観を考えると、ここはやっぱり踏み込めなかったんではないだろうか。惜しいというか、ホっとしたというか。ちょっと複雑な心境だった。脚本家には、改めて別の作品でこのテーマを追求していっていただきたいところ。
日本テレビ系土曜ドラマ「妖怪人間ベム」オリジナル・サウンドトラック
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ということで、ちゃんとボーカルの入ってる、初代サントラも聴く。
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