魔法少女まどか☆マギカ

魔法少女まどか☆マギカ 1 【完全生産限定版】 [DVD]

魔法少女まどか☆マギカ 1 【完全生産限定版】 [DVD]

最近のアニメに触れていないのが気になって、リハビリとして昨年はハルヒを見てみたり、そろそろ「とある魔術の〜」を見てみようか、なんて思っていたところ、ふとネットで話題になっているのを知って見始めたのが「魔法少女まどか☆マギカ」。出会いなんてそんなもんか。
本日現在7話まで見た。タイトルおよびキャラの見た目の可愛さとは裏腹に、ドギツイ、暗い、シビアな展開はやっちゃった感がありありで非常に頼もしい。 

ストーリーは普通。というかまだ評価できる段階にはないのだろう。もっとシリアスな設定、グロイ展開が見えてくるはずで、そこんとこはまだ様子見スタンスだが、ビジュアルがかなり逝ってしまってる感が強い。麻薬を常用したデザイナーが描いたようなシュールでサイケな魔女世界の風景はもとより、現実なはずの世界も独特のパースを使っていたり、悪夢を抜け出ていない。また、そんな風景のあちこちに物語を示唆する暗号めいた仕掛けが散りばめられ、作品への入れ込み具合が相当なものであると伺わせる。もう少し、期待してもいいのかな。

[追記:2011.04.23]

最終回まで見た。以下感想はもちろんネタバレ含む。

シビアな骨太展開は、「魔法少女」ものとしては異色で衝撃的ではあったが「魔法少女」というフィルターを外してみれば、それこそ平成仮面ライダーとしてみれば、わりと真っ当ではあった。伏線は分かりやすかったし、見逃した伏線分はネットで補完。10話のループ展開はいい仕掛けながら予想どおりでもあった。
完成度が高くても、すべて予想範疇に収まるのであれば、佳作。名作には事前の予想を超えてなお納得できうる結末が求められる。最終話冒頭で述べられるまどかの「願い」。それがこの作品の全てを決定づける。
「すべての魔女が生まれる前に消し去りたい」。
拍子抜けするほど普通だった。これまでどおり伏線を通してみればあり得る真っ当な願いだった。けれど、その願いで生まれた変化はそれほどすっきりとしたものではなかった。死んだひとは戻らない。魔女の代わりに魔獣がいて、世の中は依然として平和にはならなかった。
バッドエンドではないが、グットエンドでもない。「これはトゥルーエンドだ。」ネットでの発言にそんなもんかなと思う。
まどかが救ったのは、全ての魔法少女の命でもなく、幸せでもなく、魂。それだけだ。けれど、無念のなかで散っていくあまねく魂を救済するのは、本来神にしかできない。また、己の命をかけて人を救うのは親友。社会を救うのは英雄。過去から未来永劫にわたり人を救ってくれる存在、それもやっぱり神だ。
様々な物語、作品をみてきて何度も何度も使われてきた言葉だけど、まどかこそが本当の意味で神様になったのだと、合点がいった。
ひとつ、宗教観を見直させてくれたことで、「まどか☆マギカ」は自分にとって貴重な作品になったようだ。
世間の評価は、もう少し動向を見ようか。