仮面ライダー鎧武

仮面ライダー鎧武/ガイム 第一巻 [Blu-ray]

仮面ライダー鎧武/ガイム 第一巻 [Blu-ray]

本日は後番組ドライブの初日だが、これを書いておかないと次にいけない。手短に。

このライダーから感じたキーワードは「キメラ的融合」と「メタモルフォーゼ(変身)」。脚本に入る前から「フルーツ」と「錠前」と「戦国」というテーマが決まっていたそうだが、そもそもここから「融合しちゃいけないものを融合してる」気が。仮面ライダー達の姿も、鎧と果実がゴテゴテでなんだか毒々しい。そもそもライダー毎に日本と西洋と中国の、それぞれのモチーフを混ぜてるのも世界観を定めづらい印象を受けた。これが「キメラ的融合」の部分。

ストーリーの展開が早く、すぐに状況が変わって新たなステージに移るところは「戦国」モチーフ(勢力図が切り替わる)との解説を読んだことがあるが、自分はこれを世界の「変身」と受け取った。状況の変化は各登場人物の立ち位置を換え、自ずと彼らの生き様も変化していく。そう、今作は世界も主人公達の中身もライダーよろしく「変身」していく物語だったのだ。

そしてこれらふたつのイメージはそのまま今作最大のリスク=ヘルヘイムの森という奇妙な植物世界の特色と一致するのだね。果実を食べてしまった者は森に取り込まれた姿に変化し、森の成長は恐ろしく早い。いやはやもともと無茶なはずの三題噺をきちんと消化して見込みどおり「龍騎」ライクな仮面ライダーのストーリーとしてまとめ上げたのは賞賛ものだと思う。

脚本家の力量から期待していたハードルはもっと高かったので、驚きの少ないラストは肩透かしだったが、猛スピードで広げまくった伏線の風呂敷をきちんと畳み切り、落とすべき結末に落ちた安堵感はまどかマギカのそれに近い。オススメの一作。いつかまだ観返すときも来るだろう。

追記1:何度もコラボやら特別番組などで話数が足りなくならなければもう少し地に足のついた終盤展開が見られたのではという点が心残り。インタビューかなにかでフォロー希望。

追記2:実質の最終回の後、番組上の最終回はいったん脚本が校了した後に追加したのだろうか。畳みきったはずの物語でちょっとした未回収伏線をかき集め、作品世界を壊さない配慮を強く感じたがそれでも蛇足は蛇足よね。

で。今朝はドライブ1話を見た。ネットでは好評なのかな。鎧武の無茶な三題噺とはうって変わってやけにシンプルな「車&刑事」テーマ。ウィザードもシンプルな「魔法」テーマだったし。なんでこんなに違うのか。