仮面ライダービルド

仮面ライダービルド VOL.1 [DVD]

仮面ライダービルド VOL.1 [DVD]

クールなデザイン。科学者主人公に肉体派相棒のバディもの、ということで期待できる出だしではあったが、観ていくうちにガッカリしていく展開に。スケールが大きくなるのはいい。だけど国を巻き込んで戦争だとか言い出すと少数の人間で回せる話ではなくなる…のに、代表選だとかでお馴染みのメンツがガチバトル。なんだそりゃ。その後さらに宇宙を巻き込むほどの超展開は進むが悩むのはやっぱりいつものメンバー。もちろん、これまでのヒーローものだって政治とか警察とかの現実をないがしろにしてきたけど、それはそもそもそこを表現しないことで嘘を突きとおしたから。戦争だとか首相が判断とか言い出したらもっと様々なブレインや機構が動き出すはずなのでは?という当たり前の「現実との乖離」がモリモリ立ち上がってきて違和感てんこ盛り。ストーリーや演出の勢いで忘れさせてくれるかと言えば、変わり映えのしない危機に同じことで悩むばかりの主人公達メンバー。
序盤悪の親玉めいた扱いだったキャラがすっかりお道化た三枚目として仲間に入ってきた終盤は、宇宙の危機の緊張感をつまらないギャグの応酬で台無しに。正直、仮面ライダーゴーストに続くほぼ最低のライダーだと個人的に思う。が、だ。最終回で世界が書き換えられ、主人公と相棒のふたりだけになったエンディングが妙に清々しい。最低のはずなのに良い後味…あれだ。「魔法つかいプリキュア!」だ。あれも内容のない最低の作品だったが、余韻の残るエンディングでなんかいい作品、みたいな気分にさせられたのが気持ち悪かった。腕のいい脚本家にかかれば、破綻した作品であってもキレイに終わらせられるものなんだな。スゲーよ。

さて。次作の「仮面ライダージオウ」第一回も観たのだが、派手なビジュアルの連続なのにさっぱり面白さが立ち上がってこない。過去ライダー登場ネタはディケイド、時間ネタは電王があるから新鮮さがまるで見えてこない。最終回だけでなく一年間、楽しいドラマ見せてよ。頼むよ。(同じ日のルパパトの方が断然面白いんだよね。何回も観直してる。あと裏番組の鬼太郎も何気に良い。名作だ。)