名古屋旅:その3

11/26:この日は少し余計だったかな。朝飯はコンビニ弁当で済ませ。チェックアウト。どこに行こう。まずは栄のドン・キホーテ。意外と狭いかな。売ってるのは他の支店と大差ないな、と思ったが、その上の階の飲食店で驚く。あ。ここは「スタミナ太郎」ではないか。一度は行ってみたいと思っていた。(昔は北小金の近くにあったようで(ああでもあやふやな情報なので嘘かもしれない)ただ、北小金ボウルの地下がそんな感じのビュッフェの店があった記憶があるのです)正面にビル併設の観覧車があるが、まだオープンしていなかった。それらの情報をインプットしたままテレビ塔へ。この地下のロッカーに荷物を置いて、伏見の科学館に向かう。行くとこがないならまずはここだなと。(他の候補は名古屋港の水族館と、長久手の愛知県児童総合センター。どちらも過去に行ったことがあるが、少し遠いんだよね。水族館のシャチを先日の鴨川シーワルドと見比べてみたかったが、ショーは動画を見る限り鴨川の方が数段気合入れてるみたいだった。)科学館は前回も来ているのでさらっと済ますつもりだったが、ひとつ。「極寒ラボ」なんてのが出来てて。これが人数制限あり。「今並ぶと次の回で入れるかもしれないが、希望者多数だからたぶん無理」と係員に言われはしたものの、一応並んでみる。自分の前は家族連れが多くてこりゃ無理だと思ったが、最後に残った一席が家族連れでは参加できずに棚ボタのようなかたちで参加できることに!これはラッキー!マイナス30度の世界がどんなものか体験だ!
写真を撮ってもいいが、結露するから出た後はしばらく使うなとの怖いアドバイスを受けていざ参加。入口で分厚い防寒着を貸してくれるが、いちおう着ないで持っていくことに。いやー寒い寒い。覚悟を決めただけあって相当寒いが。だが。5分で出られるとわかっているとなんとか防寒着なくても大丈夫だった。もうちょっと長く居ろということになると、寒気が体の芯まで来てやばかったのだろうけど。続いてプラネタリウムへ。子供の頃、一番科学的興味を感じたのがこれなんだよね。もちろん今のは最新型になっていて、改装(改築)されてるのでだいぶ趣きは違ったけど。出し物が科学館の歴史を振り返るもの的な内容だったのはうれしいが、眠気がものすごくて少し寝たかも。昔を思い出させる星座の案内、CGを駆使した銀河のダイナミックな表現。あっさりとした写真の掲示と。表現はずいぶん多様化したようだな。
科学館を出たら昼飯…ってもう3時ぐらいになっていた。栄に戻り、地下街に…。ここで大発見。「セントラルパーク」がまだある?子供の頃に良く両親に連れられて、食事などに来た場所が「セントラルパーク」。栄の地下街の総称で、今は違う名前になってるんだろうなと思い込んでいたのだが。なんと。テレビ塔の地下街の一角がその名称で、それがまだ残っていたなんて!昼飯はここに決めた。ここの鳥五味というところで。親子丼とラーメンのそれぞれのハーフを食べた(はず。ちょっと記憶が薄れてる)。食事を済ませてテレビ塔へ。今は「中部電力 MIRAI TOWER」なんていうのか。暗くなる前に上ろうと思ってたらダメで、5時から上れるのだという。まだ少し時間があるので…手近なドンキ正面の観覧車に乗る。そして5時頃にテレビ塔へ戻ってみると、うげ。長い行列ができてる!すこし様子を見たが、これは待ってる時間がもったいない。予定を立てよう。まずはドンキの上、スタミナ太郎に行き、21:00-23:00までの予約。そして、ウェルビー栄で風呂に入って(まさかここでも待ち時間があるとは。下駄箱の数が定員なのね。)20時までのんびりする…って意外と時間なかったな。20時になったら改めてテレビ塔へ。さすがに行列はもうなかった。上の展望コーナーではちょっとしたイベントだったようで。プロジェクトマッピング?窓に映し出されるホログラムと音楽。そして名古屋の夜景。降りて21:00からはスタミナ太郎。「食べ放題」システムではあるが、食べ物をビュッフェに取りにいくのではなく、スマホから注文するタイプ。それもまとめてではなく、2品づつ?だったかな。しょぼい感じはするが、食材・人件費の無駄を抑える努力は感じたな。その分バイトの態度が…。接客はともかく。ダベってばかり。ちょうどデシャップ前の席だったので、気にならないと言えばウソになる。食べてる間は気にならないが、注文がなかなか出てこないときはね。それでもだいたい満足したあたりでラストオーダー時間切れ。あとはバスに乗るだけだ。テレビ塔正面がバス停。帰りのバスは、残念なことにお客が多く、席は窓側ひとり席。しかも睡眠薬を規定以上に服用したのに寝られないまま翌朝柏に到着。これはつらかったなあ。でもこの日は晴れていて良かった。

名古屋旅:その2

11/25:翌朝。朝食を探して栄の町をうろつく。いろいろ調べて「べら珈琲栄店」という店にたどり着く。黒糖パンが売りのモーニング。この日は午前中に名古屋城を見に行くことにしていたが、父の不調がまだ続いているらしく、母と二人で行くことに。父とは名古屋駅で合流とする。名古屋城は。8年前のさらに前…2005年だから17年ほど前にひとりで見にきている。肝心の天守閣は閉館だとかで入れなかったが、外側から眺めただけでも母は満足してくれた。ここでもみたらし団子が売っていたので。2本買って母と一本づつ食べる。これが東京・千葉で食えない不思議よ。午後、名古屋駅に行って父と合流する前に、なべ焼きうどんを食うことに。山本屋がいいらしいとネットで調べていったのだが…。うまいといえばうまいが、わざわざ食べにきた甲斐があったかと言われると…。ちょっと微妙。だが母は喜んでくれた。駅の土産ものコーナーでその後夕食後のおやつとなるうなぎパイと小倉を挟んだクッキーを買い、自宅へ郵送手続き。そして新幹線の特急券を買ってあげて、改札まで送る。父とはホームで合流することになっていた。ここで母と別れ、残りは一人旅。
早速向かったのは本山駅。昨日入れなかった床屋へ。入ってみると先客はいなかった。
店主は次の客の予約があるので、その後でいいか、とのこと。「分かりました。待ちます。」と答えると様子が変わり、さっそく対応してくれた。一見の客がわざわざ次の順番を待つと答えたことで何かあると察してくれたようだ。髪を切り始めてくれたところで正体を明かす。自分は45年前にここの客であったこと。突然の来客に驚いてくれ、当時のことを互いに思い出そうとするが、仕方ないが話はあまりかみ合わない。意外と覚えてないものよ。特に一方がまだ小学生低学年のことなのだから。それでも、以前いた社宅のことは覚えてくれていた。確かにあの頃はそこに結構な数の子供がいたからね。オグロマキコさん、確かにそんな名前に聞き覚えが…。そんな感じ。前日に両親と来たときに「ここに日本銀行の寮があったよなあ」と懐かしがっていたが、その話をしたときに教えてくれた話が一番驚いたな。その日銀の寮に入っていたのが、後に北朝鮮拉致事件で一生をかけて戦い続けている横田夫妻であったこと。後に調べて横田めぐみさんはここ名古屋で生まれていたことを知った。微妙にニアミスしてるようで、我々が夫妻、そしてめぐみさんとすれ違った可能性は薄いが、それでもそういう縁があったと思うと…。床屋では奥さんも出てきてくれて。ここの娘さんが自分と近い年なので会ってたかもね、的な話をして、店を後にする。この時点で店主は80歳。実は20-30代で名古屋に来たときにもここで髪を切ってもらっているが、次は流石にないかな。
本山駅に戻って次の駅に。東山動物園だ。夕方になりつつあるので、少し閉園時間を気にしつつ入場。時間がないので今回は動物園をスキップ。遊園地へ。…こじんまりしてるよね。もちろん小学生にはこれで十分だった。遊んだのは、ミラーハウス、ビックリハウス、ジェットコースターの順。ミラーハウスは8年前に入れなかった雪辱を晴らす。ビックリハウスは、8年ぶり。ジェットコースターは…多分初めてかも。小学3年生ではまだ無理だったかと。従業員数人で回しているらしく、順番待ちというより従業員待ちになっちゃうのが微笑ましい(それぐらいの余裕はあった)今思うに。ミラーハウスは自分で地図を書きながらだともっと楽しめるような気がする。二度と楽しめなくなるので遊園地側からは嫌われそうだが。次に向かったのはスカイタワー。「スカイツリーじゃないです」的な自虐的コメントをどこかで読んだ気が。自分が名古屋を離れてから出来た建物で思い入れは薄いが、その後に東山動物園に寄るたび、気にはなっていた。昇るのは、今回初めてじゃないかな。園内を一望できたのも初めてのこと。ここでカメラの電池も切れ、閉演時間も迫り。少し焦りながらモノレール駅を目指す。これで元の入り口に戻ろう。駅付近には…おお!植物園のハウスが目の前に!あの頃と変わっていない風貌。当時は遠足で来るとこっち側から入ってたようで、植物園の景色はわりと見飽きていたようなのだが。それ以降ここに来たのは、多分初めて。ただ時間がないんだよ。モノレールの最終便が来るまであと5分。ほんとはじっくり見て回りたいところ、端から入って真ん中まで1分かかったか?すぐに出てモノレールへ。昔は乗ったことあったかな。モノレールで入り口まで戻ったところでほぼ閉演で時間切れ。ホテルに戻る。有名は世界の山ちゃんへ。前日の悔いを晴らして手羽先をたくさん食べた。野菜もたくさん食べた。帰宅は翌日。新幹線で旅行を満喫しようと思ってたが、深夜バスの低料金に慣れた自分には、あの値段は受け付けられなかった。バスは時価だが、今回は往復ともに片道4,000円。さらに柏駅着なのでそこそこ荷物があってもつらくない。そうだ。睡眠薬を買ってそれを試してみよう。

夕飯は今度こそ、世界の山ちゃん。予め電話で予約してから。野菜多めで。しかしちゃんと手羽先は食べる。

名古屋旅:その1

11月の話なので。結構忘れかかっているが、せめてメモ程度でも残しておきたい。日記として。

前提として。この旅は自分の発案ではない。前回(2014年11月)。両親が動けなくなる前に過去の記憶を聞いておきたいとの想いで提案したところ、母はネガティブ。父が渋々承知してくれ実現。結果として分かったのは。父は当時のことをほとんど覚えていなかったということ。多感な少年時代を過ごした自分に対し、両親はただ仕事の都合でこの地に住み、3人の子供を養うのに必死だったわけで、それも仕方のないこと。そう分かったのが当時の結論なわけだが。

今度は父の方から行きたいと言い出した。母も同行するという。それなら行かない理由はない。あれから8年で再度の実現はありがたいが、今度こそ、おそらく両親との最後の名古屋への旅になるのだろう。

日時は2022年11月23日の夜に出発。26日に帰宅。先に出発して現地で落ち合うということに。

11/23:柏から深夜バスが出ると知って、それに乗る。非常に便利でありがたかったが、あいにくその晩は雨。微妙な振りだったので傘は荷物になると持っていかなかったら、結構寒い中で待つはめになった。席が先着順かも、という恐れで早くバス乗り場に到着したのも失敗だった。車中はひとも少なく、一人で2席占拠できたのはありがたかったが、いかんせん眠れない。うとうとしながら、結局ほぼ完徹で朝5時に栄についた。

11/24:ホテルまではgoogleマップ見ながら徒歩。先に近くのサウナへ。「サウナ&カプセルホテル ウェルビー栄」は、名古屋に来たら必ず行くお気に入りスポット。なんたって冷凍サウナがあるのだから!今回は新たなアトラクションも追加。ひとつは水風呂内チェア!水風呂につかりながらもゆったり寝れる。さらにアイスサウナ!。冷凍サウナの中にさらに水風呂があるという恐怖。さすがにこれは…凍死覚悟でないと入れないや。そして朝飯は。近くのコメダ珈琲へ。今では実家から1分のところに支店があるけど名古屋といえば自分にはまずコメダなのよね。モーニング、パンはもちろん小倉でいただく。期間限定「シロノワール ブラックサンダー」も。血糖値やばし。
ホテルに荷物を預けていくはずが、失念し。そのまま本山に向かってしまう。栄の地下を歩き、東山線で。地上に上がると松坂屋ストアもとい、マックスバリュ本山店がそこにあった。45年前とあまり変わらない姿で。時間は7-8時ぐらいだったかな。そのまま元社宅に行くのではなく、幼稚園に行こうと決める。前回車で現地に向かったが、道が込み入っていてたどり着けなかった。今回はほぼ徒歩だ。現役時代は幼稚園バスだったので土地勘はないがgoogleマップがあれば行けるでしょ。結構長い道なので途中でタクシーを拾おうと思うが、あいにく1台にも出会えず。道路が広くて車に便利な街のはずだが…やはりコロナの影響なのかな。現地にはちゃんと着けた。寺の風貌も記憶どおり。むしろ、改修して新しく思えたぐらい。幼稚園も昔よりしっかりした建物になった気がする。2階なんてなかったよな。建物のプレートを見ると平成30年6月…創立70周年とかあったりね。なんて見ていたら、中から先生らしい女性が出てきて「何か用ですか?」はい。そりゃ怪しいです。ちょうど登園の時刻で園児連れのお母さんも入ってきてる時分だものな。でも答えは決まっている。「50年前の卒園生です。懐かしくて見に来ました」そう聞くと、納得した感じで戻っていった。彼女も自分からしたら娘ぐらいの年齢だろうしな。本山への帰り道は階段を下りて。前回見た風景はここから。ちょうど丘になっている傾斜部分がこの幼稚園の本体なのだ。徒歩で駅へ戻り、社宅へ向かう。
景色は8年前とあまり変わらずで驚きは少ないが。道中床屋のヤマテがオープンしていることに驚き。まだやってる。朝も早い。しかも先客がいる。いったんスキップして元社宅へ。ここも前回と変わらず。むしろ正面にある小学校(元、東山小学校分校。今は見付小学校、だったかな。)に驚きが。運動場にでかい建物?門に貼ってある注意書きを読むと、リニューアル改修工事で仮設プレハブ建設中とのこと。自分が出ていってから改修が今まであったのかどうか知る由もないが、…なかったとしたら40年。まあ必要なことよね。もう少し近所を巡ってみる。前回見つけられなかった、当時の友人水野くんの家を発見。もっとも表札のかかっている門まで階段を上がるわけにもいかず。今もそこに彼等が住んでいるかも分からないし、住んでいたとしても、話せることなど何もない。怪しまれないよう写真を撮ってそのまま退散。床屋はまだ同じ客の対応中。なら、次行くか。名古屋大の敷地を通り、名古屋大学駅から地下鉄に乗る。ホテルに荷物を…と思ったが時間が微妙だったのでそのまま名古屋駅。新幹線こだまで到着した両親と合流。近くの駅ビルから上階のレストラン街へ。昼めしは矢場とん。東京で食べようとすると銀座に行くしかないからな。20分ほど待って食べた。両親も満足。ソースをお持ち帰りで店を出た。流石に名古屋駅付近ならそこそこタクシーも出ている。歩きでいけなくもないが、体力温存の意味も込めてホテルまではタクシーで。ここでようやく荷物を預け、両親を連れて改めて本山へ。父親の反応は割と静かだったが、母親が喜んでくれたのは良かった。社宅の周囲を巡り、松坂屋マックスバリュに戻ると中へ。建物は当時と変わってないようだったが、さすがに内装やレイアウトは変わっていてあまり懐かしさはない。特に地下のジュースコーナーもない。ただ、ボウリングは結構昔の雰囲気が残っていたかな。ここの衣料品コーナーでシャツを3枚、コート?を1枚購入。母が最近買わせたがっていたのと、確かに最近寒くなってきて服が寂しくなってきたから。イオンのポイントが使えたのも良かった。マックスバリュの裏手でしばし散策。以前はこの奥にも雑貨屋めいた店があって、お子様プラモ(アトランジャーとかたまごっちとか)を買ってもらったものだが、もう跡もなし。耳鼻科らしいのは残っていたが、これは8年前にも見つけてたところ。本山駅に向かおうというところで、みたらし団子を打っている店を見つける。これだよこれ。あの頃は松坂屋ストアの店先、あるいはその裏でみたらし団子を買って食べるのが好きだったんだ。なぜか東京近辺のみたらし団子は常温だけど、あたためてくれるのが美味しいんだよね。この店が昔買ってた団子と関係があるのかは分からないが(おそらくないだろう)うれしい話だ。一本しかなかったので、母に一粒あげて残りは自分がいただく。
続いて母が行きたがっていた大須観音へ。当時は一度も行けなかったそうだ。建物を背景に両親の写真を撮る。自分も撮ってもらう。少し商店街を散策し、ういろうを購入。名古屋はやっぱりういろうなんですよ。タクシー拾ってホテルに戻り、少し休んでから夕飯へ。世界の山ちゃんで食べようと決め、両親引き連れて栄を歩く。1軒め。席なし。2軒めもなし。どうしよう。少し意地になって別の支店を探すか?そこで母が、父がかなり疲労している、あまり歩けないと言いたす。父が名古屋に来たがってた理由のひとつはここの夕食だろうと思っていたので、ちゃんと食べれるところにしたかったのだが。そういえばマックスバリュで服を買ってた時も、脇の階段で休んでたし、言葉も少なくなっていた。母によると最近肉も食べなくなってきているそうで。そうか。本人はそういうのをあまり口にしないが、母は気遣っていたんだな。手近な店を探して鳥貴族へ。…おいおい。実家に一番近い飲食店はコメダ珈琲店だが、自宅に一番近い飲食店は鳥貴族ですよ。まあいいや。いつも食べてるキャベツや、貴族焼を食す。母が釜めしを食べたいと…それ時間かかりますよ。でもいただく。父が何を選んだか覚えていないが、確かに食が細い感じではあった。この日はこれでおしまい。

三頭の虎はひとつの山に棲めない

食の視点から来日して「英国一家、日本を食べる」を書いて親日家になったマイケル・ブースが、日中韓関係に関する本を出版していたと知った。他国人による日本の話は好物だが、さらにこのテーマに挑むとは。普通はスルーするところ、さすがは僕らのマイケル・ブースである。

彼は日本を何度も取材して日本人の文化や考え方を理解してくれているので、その点は心配してないのだが、それでも。イギリス人として戦中日本についての「偏見」はやはりあるだろう。さらに彼は朝日新聞と仲がいい(はず)。6年ほど連載を持っていたようだし。記事はあまり読んでないが、自分はちゃっかり朝日新聞社主催の彼の講演会を見にいったこともある。その朝日にいろいろ影響受けてそうだ。そのへんを意識して読んでいく。

この本の体裁は、日本→韓国→中国→上海→台湾→そして日本、と旅行しながら現地の空気を肌で感じ、現地の人物と会話していくなかで著者の所管をまとめていく。「英国一家、日本を食べる」のときと同じ。彼のいつものスタイルだ。

まずは日本。東京から車で南下。
左派系の話にいちいち頷き、嫌韓・嫌中日本人の話は頭から否定。そうくるとは思っていたよ。しかしそのスタンスは変わらないものの、文章としてはその事実を否定できていない。さらに韓国に渡り「それみたことか」な事実に突き当たる。日本がいくら謝ろうが韓国人は許さないし、許す気もない。悪いことはべて日本のせいにして、己れの都合と見栄えばかりを気にする韓国人たち。反日が韓国人のアイデンティティになってさえいるというどうしようもない事実。中国も反日も相当なものだが、偏執的な韓国人達の生き方には、改めて呆れる。上に書いたとおり、マイケル・ブースは最初の時点で偏向はしている。が、彼は彼が自覚できる限りにおいてなるべく客観的に事態を知ろうと努め、それでいてこの有様だ。彼がインタビューした嫌韓日本人は突出した人が多かったようで「日本は悪くない」という考えに踏み込むあまり、他国への侵略の事実を矮小化していたかもしれない。しかし一方の「被害者」の言ってることは本当に100%正しいのか?それぞれの主張に与しないよう、マイケル・ブースは触れないが、彼の書く文章からはその「被害者が語る事実」についてのダウトがいくらでもはみ出てくるのだ。

そして最後には当たり前の結論にたどり着く。この日中韓関係において、日本人ができることはあまりない。中国人…というかとりわけ韓国人だよな。彼等が日本を普通の国として扱い、普通に互いの利害を考えあえるようになるしかない。「それは一気に訪れることはなく、ほんの少しづづ、一世代あるいは二世代分の時間がかかるだろう」とマイケル・ブースは書く。そう書かないとオチにならないだろうが、そんな長い時間は希望的観測としてもさすがにボヤケすぎだろ。

2022

今年も大変でした。コロナもまだ続いてるし。

特に離婚は大きかった。別れてもうすぐ半年にもなるが、今でもふと、別れた彼女のことが気にかかる。ヨリを戻したいとは思わない。家庭内離婚の時期が長かったし、結局最後まで彼女の人間性を理解できなかった。再びまともな夫婦生活が出来ると思えない。共に老後を支え合おうという意思を持ってくれなかったので、何かあったらお荷物にしかならない。ただ、彼女は社会的にまともに働ける性格ではないし、僕から持っていったお金が尽きたらその後どう生活していくのだろうかと。購買欲の強い人間ではなかったので、生活保護でも受けるのだろうか。そういう心配で。今となっては余計な心配なんだが。

むしろ自分こそ、以降購買欲が増し増し。これまで我慢してたけど、今後は自分が欲しいものは自分の金を使えばいい。これまでの反動があったのでこの秋冬は赤字気味だったが、そのうち落ち着くだろう。購入物のうち、活用の伸びしろの大きいのがNreal Air。すでに3D動画が見える環境が整いつつあり、あとはPCデスクトップを固定表示できるようになれば…。この製品の限界はすぐだろうが、次に続く希望はある。
X68000 ZもGPD WIN4 も購入するが、それは来年。その後大きい買い物はない。はず。

来年は平和な一年になるといいなあ。今の政権運営を見てると不安もあるが、景気が良くなるといいなあ。

マリンエクスプレス殺人事件(SW)

スペインのメーカーが作ったゲーム…というかビジュアルノベルってやつか。日本を意識したネタがいくつもありそうだったのでプレイしてみた。こういうの好物なので。
主人公が東川乱子と書いて、とがわらんこ。…江戸川乱歩から持ってきたんだろうけど、その名前の元ネタ、もともとアメリカ人のエドガー・アラン・ポーだから。知ってるのか?マリンエクスプレスといえば、手塚治虫の『海底超特急 マリンエクスプレス』を知っているのか?もしかしたら知ってるのでは、と思えるのはこの作者のネタ知識が異様に深いから。赤は3倍、という話にガンダム、ではなくて「フリーダムファイター ガンボーイ」を持ってきちゃうあたりね。(ガンボーイはガンダムの初期企画段階の名称。)

一方「とがわらんこ」という名前を持ってくるなら、外川蘭子とか十川嵐子とか、いろいろアテられる漢字があるなかで東川乱子という漢字を持ってくるところ。まあ東川でとがわと読むことも実際にあるようだがなぜ戸川乱子じゃないのか?論理的には書けないが、漢字のアテ方のセンスが「日本語力がネイティブレベルじゃない」気がする。この空気感は、ネイティブの日本人、ではなく明らかに一部の日本オタク知識だけが深すぎる外国人によるものだ。自分はそういうのこそ好物なんだけどね。
忍者オタクというキャラの立ちまくったアラブ女性が出てくる。実際アラブでは忍者が人気らしく、忍者の覆面がイスラム女性の被っているヴェール=ブルカ?と相性もいい。でも、こんな類いのキャラも生粋の日本人の見識からはあまり出てこないと思う。

最後にこのタイトルのシステムについて。この作品はゲームではないので、普通に読んでるだけでクリアはする。だが、ポチポチボタンを押してたら全員のキャラや世界観を掴む間もなく終わってしまう感じ。せっかく体裁はほぼゲームなのだから、時々ゲームのキャラだけでなく、ユーザー自身にもそこまでの要点をおさらいさせるような仕掛けを組み込んでおいて欲しかったな。

シリーズものらしい立て付けになっているので、次作も期待して待ちたい。

音楽は意外と良いのでサントラ(デジタルアルバム)も購入。メーカーサイトで購入。ユーロ建てですよ。

テーマ曲になってる、Ranko Togawa が割りと聴ける。

 

ぼっち・ざ・ろっく!

で。今一番はまっているのがこの作品。アニメでは物足らず、原作も買ってしまったが、それでもまだ道半ばなので不完全燃焼。せめてアニメの第二期を早く公表してほしい。(<決定したと勝手に信じてる。)

ものすごい才能のある人材がその世界に殴り込み!ってのは快感度高し。が、バンドで演奏するにはチームの中での演奏スキルが必要で。さらに性格的な問題もあるひとりは下手な部類の扱いでスタート。それが、周囲との関係が深まることで、少しづつ社交性を養い、チームの結束力を上げ、ポテンシャルを発揮できるようになっていく。すると今度は他のバンドメンバーがひとりに釣り合わなくなってしまう。彼女の早急なレベルアップに感化されながら全員で力をつけていき、「少し上手い高校生レベル」から実力バンドへの道を駆け上がる…。いいねえ。(力があるのに最初は気づかれない…ってのは少しご都合主義的な気もするが、演奏経験のない自分には実際のところは分からない。)

構成メンバーの属性も良い配分。喜多>伊地知>山田>後藤で陽キャから陰キャという順番になっているが、音楽の才能はおそらく正反対。役割分担も明瞭で、喜多が広報&ボーカル。伊地知がバンドを運営する動機であり要であり、リーダー。山田が作曲で後藤がギター一筋。この順番で受けもつ範囲は狭くなり、そして深くなっていく。いいねえ。

このメンバー間の関係の深まり。店長や成長の道筋を見せてくれる年上の存在(廣井)、ファン、家族。原作にはさらに上昇するきかっけを与えのちに助力側に回るライター、(やけに面倒見のいい)ライバルなどの周囲を巻き込んで、話のスケールも大きくなっていく。完全に開花したひとりと、そこに追いついたメンバーたちの活躍が見られるまで、追っていきたいものだ。

それと下北沢はあまり降りたことがないが、自分の好きな文化の香りのする町として昔から好感を持っていた。バンド文化も自分とは違う世界だがひそかに憧れはある。そのあたりを愛情持って描かれているのも好感が持てるね。

そんなわけで曲も当然良い。最初に好きになったのは普通にOPの「青春コンプレックス」


そして複数のエンディングの中から「何が悪い」。


8話の名シーンからつながる「あのバンド」。


さらに最終話にも数曲リリースされたが、それらもいいし、他の曲も聴いていくうちにどんどん馴染んでいく。カラオケで歌うには意外と難しい曲も多い気がするのだが(どうしても演奏がメインだと思えちゃうもので)練習していくよ。