マリンエクスプレス殺人事件(SW)

スペインのメーカーが作ったゲーム…というかビジュアルノベルってやつか。日本を意識したネタがいくつもありそうだったのでプレイしてみた。こういうの好物なので。
主人公が東川乱子と書いて、とがわらんこ。…江戸川乱歩から持ってきたんだろうけど、その名前の元ネタ、もともとアメリカ人のエドガー・アラン・ポーだから。知ってるのか?マリンエクスプレスといえば、手塚治虫の『海底超特急 マリンエクスプレス』を知っているのか?もしかしたら知ってるのでは、と思えるのはこの作者のネタ知識が異様に深いから。赤は3倍、という話にガンダム、ではなくて「フリーダムファイター ガンボーイ」を持ってきちゃうあたりね。(ガンボーイはガンダムの初期企画段階の名称。)

一方「とがわらんこ」という名前を持ってくるなら、外川蘭子とか十川嵐子とか、いろいろアテられる漢字があるなかで東川乱子という漢字を持ってくるところ。まあ東川でとがわと読むことも実際にあるようだがなぜ戸川乱子じゃないのか?論理的には書けないが、漢字のアテ方のセンスが「日本語力がネイティブレベルじゃない」気がする。この空気感は、ネイティブの日本人、ではなく明らかに一部の日本オタク知識だけが深すぎる外国人によるものだ。自分はそういうのこそ好物なんだけどね。
忍者オタクというキャラの立ちまくったアラブ女性が出てくる。実際アラブでは忍者が人気らしく、忍者の覆面がイスラム女性の被っているヴェール=ブルカ?と相性もいい。でも、こんな類いのキャラも生粋の日本人の見識からはあまり出てこないと思う。

最後にこのタイトルのシステムについて。この作品はゲームではないので、普通に読んでるだけでクリアはする。だが、ポチポチボタンを押してたら全員のキャラや世界観を掴む間もなく終わってしまう感じ。せっかく体裁はほぼゲームなのだから、時々ゲームのキャラだけでなく、ユーザー自身にもそこまでの要点をおさらいさせるような仕掛けを組み込んでおいて欲しかったな。

シリーズものらしい立て付けになっているので、次作も期待して待ちたい。

音楽は意外と良いのでサントラ(デジタルアルバム)も購入。メーカーサイトで購入。ユーロ建てですよ。

テーマ曲になってる、Ranko Togawa が割りと聴ける。