カナカナ

西森博之の作品がドラマ化という情報を得る。「カナカナ」?知らないぞ?…早速読んでみた。

相変わらずどこかしらヤンキーものの匂いがするのが気にはなるが、今のところ(今読めた17話までは)そう思わせないハートフルな物語となっている。

少女を育てる独身男性という、どこかで聞いたような、そしてイメージしやすい世界観だが、設定にヒトクセあり。ヒロインである少女=カナカは人の心が読めるという特殊能力をもっているため、非常に大人びていること。逆にもうひとりの主人公=親的な立場のマサが、そんな彼女が心を読み切れない、純粋単純思考なオトナであり、良い意味でどことなく子供っぽい存在であること。表面と内面とでどことなく親子が逆転しているような構図になっている。…子供と書いてはみたが、そうも言い切れないか。現在のマサが好人物であることは疑いようもないが、昔は悪でヤンキーだったらしいと明示されているし、彼の怒ったときの怖さがまだ描かれていない。心が読みきれないのも何も考えてないからなのか、他に理由があるのか。そんな危うさを秘めつつ、周囲の善人たちに囲まれたホッコリとした世界観。5月のドラマ化にも期待だがまずは連載を楽しみにしていこうと思う。

西森博之「カナカナ」NHKで連続ドラマ化、元ヤンの眞栄田郷敦が孤独な少女育てる - コミックナタリー