セレクテッドソーサリアン 1~5(X1)

自分的には終わったつもりで済ませていたソーサリアン。だが実際のところ終えてはいなかったのだ。この機会に残りのシナリオを全て終わらそう。ここで済まさねば一生プレイすることはないかもしれないからな。

最初に手を付けるのはセレクテッド。一般人による投稿シナリオをコンテストで募り、入選作は実際に追加シナリオになるという夢の企画。なぜ自分は投稿しなかったのか。結局そういうところが自分の駄目なところだったな、と甘酸っぱい後悔を味わいつつプレイしていこう。

ここからは一作づつ感想を書いていく。

■ SELECTED 1(当時購入)

「美しき花嫁」
さすが読者企画!こういうのもあっていいよな。という「最初に持ってくる」価値のある作品。男性ソーサリアンが王の名関係なく、自身の幸せのための花嫁探し一人旅。目の付け所はいい。これだけで入選の価値もあろう。シナリオ自体も悪くない。が、終始音楽は寂しいし、アンハッピーエンドなのでプレイ後の満足度はそれほど高くない。通常シナリオに入っていたら叩かれていたかもね。
実際リアルタイムでのプレイは多分一回キリだった。今回は二回目のクリア。おそらく。

「銀の灯が消えた街」
出来は及第点。「美しい花嫁」が風変りだったので、こういう普通の出来に安心する。リアルタイムでも二回以上クリアしたはず。音楽がとても印象的。暴力的なまでに心に残る。

■ SELECTED 2(今回初プレイ)

パンドラの箱
「箱を開けたら、あらゆる災禍が外へ飛び出した」という話をそのまま使ってるシナリオ。文学的に格調高いです。ということで荒俣賞受賞は納得。

「灼熱のワナ」
依頼どおりに悪者を倒してみたら、実は依頼者が悪者でした。というありがちなシナリオ。止めに来るひともいるが、まともに説明もしないで去っていく時点で無意味。
ということで「なんだかな」と思ったシナリオ。谷山賞受賞作なんだが、自分の「知っている」谷山さんなら、「ホホホ村長とか手下のテシターとか、面白い名前!」ぐらいのおちゃらけモードで選定したんだろうな、と思う。

■ SELECTED 3(当時購入)

「呪われた遺跡」
吟遊詩人の話を聞いてたら、その世界に巻き込まれて…という導入はそこそこ魅力的なのだが、その導入があんまり活かされていないのが素人っぽい。巻き込まれた世界に若い頃の吟遊詩人がいて、とかなんらかの関連性を期待したのに。
ちなみに当時購入しているのに、プレイしていない。その理由は次のシナリオの感想で。
「時の神殿」
非常に出来がよろしい。全ソーサリアンシナリオで一番と言っていい。
時間ものは名作になる確率が高いのだが、複数の時間を行き来するので話が長くなりがち。でもこのシナリオはその過去エピソードを最小限で済ませている。幼い巫女に髪飾りを探してあげてまだサイズが合わないから首に掛けてあげて、成長後にふたたび髪飾りを渡すところで「髪飾りが似合うようになったね」。その一言で時間の経過とドラマを感じさせるセンスが見事。またラスボスバトルが嫌な意味でうまい。倒すためにはアイテムを順番に並べる必要があるのだが、ちゃんとヒントの話を聞いて理解していないと順番を間違えるひっかけがあって、これはリアルタイム当時も、今回もひっかかってゲームオーバー。長いシナリオの最後の関門なので悔しさもひとしおだが、理不尽ではないので納得せざるをえない。(でもゲームオーバーはひどすぎるよぉ)
音楽も力が入ってて曲数も全シナリオでダントツ。名曲揃い。
問題は今作の出来が良すぎで十分に満足してしてしまったこと。大賞だということはこれ以上のシナリオはないということでモチベーションがなくなり、リアルタイムにおいて自分がプレイした最後のシナリオとなった。同じディスクの「呪われた遺跡」さえプレイできなくなるのだから相当なもんだ。

■ SELECTED 4(今回初プレイ)

「闇に消えた女神」
設定としてはそこそこロマンチック。谷山さんはこっちを選ぶべきではないの?と思うぐらい。ただしやってることはいつものソーサリアンシナリオでした。

妖夢幻伝説」
どことなく中華風シナリオ。メガドライブ「チャイニーズ・メディスン」があるので新鮮味は薄いが。パズス12世がうんぬんの説明が少々くどいがやはりそこがオチでした、というところが同人っぽい。ラストは、この時代に嫌気がさしたパズスとその妹がソーサリアンに懇願して自ら封印されるのだけど、その絵面が磔状態なのが異様に違和感。そんな状態で封印されたいか?シナリオ的にも本当そういうオーダーだったのか?

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妖夢幻伝説

■ SELECTED 5(今回初プレイ)

「封印」
この辺になるとシナリオの出来も落ち、作ってる側のモチベーションにも疑いたくなってくる。あっさりめのタイトルは好印象だが、開かない扉、一方通行の扉などが気持ち悪く配置されている遺跡ダンジョンが不快。曲も雰囲気は出てるがなんか投げやりな感じ(思い込み?)シナリオ初期に提示される目的とクリア条件が違うなど、チグハグ感が強い。

「それゆけ! ドトーのトライアスロン
ラストのお祭りシナリオなので、お馬鹿な内容はそれでいいのだが、参加条件が極悪。
「産婆」「骨細工師」キャラを用意しろとあるが、実際に準備しようとして愕然…。基本システムをすっかり忘れていたので、そこを調べ直しながらキャラを作っていった。以下メモしておこう。

まずこの2職業は老人でないとなれないので、不老不死で若者状態をキープしている常連キャラにはなることができない。そこで1からキャラをつくるのだが、産婆は人間女性。骨細工師はドワーフで種族によって老人と看做される年齢が40年ズレているので先に骨細工師志望のドワーフを作って40年してから産婆志望の人間女性を作らないと骨細工師が誕生する前に産婆が死んでしまうことになる。

ステータス値を調整して「老人」になれば希望の職につけるわけだが。しかし骨細工師になるステータス値にするには、途中でステータスのMAX値を上げないといけない。そのためにはどこかのシナリオをプレイして経験値を積まなくてはならないのだが、冒険に行くためには装備が必要。装備のキャラ間移動ができないことをすっかり忘れていたので、それは町で購入。また経験値を積んでも、町のどこかに行かないとステータスMAX値は上がらないので注意。…などと、それこそドトーの準備が必要なのだ。もう、うんざりですわ。