ひとり貴族

少し前、家の前のぱっとしないスナックが店を閉じた。ぱっとしないのはその店が悪いのではなく、元々ぱっとしない路地道だから。スナックはその風景に馴染んでいたと言えた。
しばらくして店内が改築を始める。ちょうど自分の勤め先が店を作っていくところを見た後だったので少し懐かしみながら見ていた。あー、厨房を先に区切ってまずはここをしっかり処理してからなのね、とか。
新しい店の名前を知ったときは驚いた。鳥貴族!今をときめくあのチェーン店が、私の家の、真ん前に。デイリーの記事にもなってるんだよな。こんなのとか、こんなのとか。いつか行ってみたいと思ってた。
オープン2日のキャンペーンは激混みそうだから敢えて避け、たまたま休みを入れていた3日めを鳥貴族デビューの日と決めた。ひとりだからひとり貴族だ。プレミアムフライデーなんて我が町には関係ないと思った。関係はないが、暇な大人、主婦らが結構いてオープンの5時少しですでに客席は埋まり始めていた。しかし自分はひとり。鳥貴族がひとり用の席を用意しているだろうことは、リサーチ済みだ。カウンターふたり席をひとりで占め、飲食開始。
…会計を済ませると2,700円。安価とはいえそこそこ高い。プレミアムモルツにせず、デイリー記事の助言に素直に従って金麦にしていれば300円は安かった。次回はキャベツをおかわりして釜飯などのご飯ものにチャレンジしよう。そうすれば2,000円を切れる。