- 作者: 松井優征
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/11/02
- メディア: コミック
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物語は基本的には「嘘」だ。でも書き手は嘘に思えないような「リアル感」をそこに入れ、読み手はその「リアル感」を以って自身を騙して物語を楽しむ。氏の作品は辻褄はそれなりに合わせるけれど、「リアル感」の手続きをあえて薄めにしてるところがあって(そこに入れる手間よりは面白くする方に力をつぎ込んでいるらしい)、考え方として正しくはあるが、そのせいでネウロはたまに読み手である自分が自分を騙せなくなるときがあった。これが勿体無いという感想に繋がる。
「暗殺教室」はもっと非現実にもっていったのが却って良かったのかな。学校の教室という閉じられた舞台設定も現実から視点をそらさせる良い影響だったと思う。殺せんせーの過去ストーリーなんてご都合すぎる内容でバカバカしさすら感じたけれど、そこはどうでも良い。これは最終的に自身を殺させることで教育を成す、教師と生徒の絆を描くことが主眼なのだから。
ネウロの単行本でのコメントでは。人気都合でいつでも打ち切られたり延長させられる状況を鑑み、状況に応じて風呂敷を畳める準備をしていたらしいが(結局一番長い展開で描ききれたそうで)。今作は人気があろうがなかろうが生徒達が卒業するタイミングで物語を締めないとまとまらず、編集側との信頼関係もしっかり作ってたんだろうと舞台裏も考えてしまう。
ネウロは全巻買ったが、今作はまだ買っていない。お金と部屋のスペースが気になって手をつけなかったのだけど、タイミング見て考えよう。今作終了を持って少年ジャンプを卒業できたというでもメモリアルかな。(立ち読みしてでも毎週読みたい作品がついになくなった。)