ドラゴンクエストXI(3DS)

3DS版を購入。PS4持ってないし。どちらかと言えば懐古派だし。3D/2D切替えや「時渡りの迷宮」を楽しめるこっちを取る。PS4のリアルさは鳥山明の漫画絵をギリギリ残しているが、ところどころ無理があるように思えるし、無駄にフィールド広くしても大変だしロードも長いんじゃない?すぎやまこういちの音楽もリアル映像だと煩く感じない?リアル頭身で声がないのは不自然じゃね?などと懸念は多々あるが、やらずに批判は禁物だな。SWITCH版がPS4版ライクと予想しているので、そのとおりならそのときに楽しもうと思っている(SWITH版はほぼ購入予定)。
3DS版は、わりといい。力が入っているのは明らかに3Dの方で、ポリゴンキャラの造詣や演技もいい。その点割りを食っているのは2D。「6」ぽい絵柄は良いとして、バトルでモンスターの動きがなく、演技も観る気が起きない。結果ほぼ3Dがメインのプレイとなった。ただ、2Dドラクエは今後出ることもなさそうだし、気分が変わったときに全2Dプレイというのも楽しみたい気がする。過去作「3」-「7」でプレイしてたときは「これが立体ならどんな感じになるだろう」、「8」以降では「これ、ファミコンに移植したらどうみえるだろう」とそれぞれ妄想していたわけで、同時に見せてしまうという企画は大感謝。PS4のほぼリアル視点というのも、ね。

クリアしたので以下はネタバレ全開で。

今作はシリ−ズ集大成的な意味合いで作られているようで、そうなると過去作で一番人気の「3」をベースにするのは了解するところ。音楽も一番いいところで「3」の曲が流れる。ラーミアの曲がくじらで流れるのはさすがにいかがなものかとは思ったが。一方、今作は「勇者」に焦点をあてた物語。シリーズにおいて勇者の物語をきっちり書ききったのはむしろ「4」。自分のフェイバリットという視点のせいもあるけど「生まれた村を滅ぼされた悲劇的な生い立ちの勇者のもとに、運命に導かれた仲間たちが集う」展開は、「4」のうれしい再来だった。「仲間たちとひとりづつ別れ、最後に孤独になった主人公のもとに、全員が集う」エンディングも「4」の通りだ。もっとも「11」の主人公の村は復興したし、祖父も姉代わりの女性もいる。最後に本当に独りに戻った「4」に比べて悲壮感は全くない。
問題はエンディング後だ。
リエーターとしての堀井雄二は、ドラクエという物語を語る際何かしら大仕掛けを入れ込んでくる。「8」以降、それが見えづらくなっていたが(ないわけではない)今回もとんでもないのを仕込んでいた。きっかけは多分「4」にあったんじゃないかな。それもリメイク版の。
ゲームにおいて、シナリオはどこまでユーザーを縛るべきか。「4」ではラスボスに同情的な側面が書かれていたため、倒すのに抵抗を感じたという世論が多かった。物語で考えれば同情的だろうが最終的に化け物に落ちたラスボスは倒さねばならないのだと自分は思ったのだけど、堀井雄二の判断は違った。リメイクでは続きの物語を足してラスボスが復活して味方になり、真のラスボスを倒しにいく。陳腐な蛇足には付き合いたくないので、自分は追加の章はいまだ未プレイ。原作どおりのラストが一番キレイなのだ。ただ視点を変えてみると、物語の作者<>読者関係と、ゲームの作り手<>ゲーマーの関係は違って当たり前だ。陳腐だろうが見たい結論も用意すべき、なんだろう。
そこで今回の「11」だ。本編で取り返しの付かないことが起き。それに対してはきっちり決別して未来を見据えた、はずが。エンディング後に時間を遡る手段を知って、過去をやり直すことに。…陳腐な展開といえばそうだけど、その「取り返しの付かない」ことをあっさりなかったことにすると、その後の展開は凶悪なラスボスが復帰する以外は陳腐のオンパレード。もともとドラクエのエピソードはやるせないものが多く。今回も過去作に比べて薄味ながら悲しい話がいくつかあったのだけど、それらがことごとく物語として陳腐に…しかし現実として考えると大変幸せな流れにパタパタと切り替わっていく様。蛇足もここまで大仕掛けにやると、もはや蛇足とは呼べない。感服しました。

キャラ感想も書いておこうかな。

主人公:デモノスと命名。悪魔=デーモンとして。サタンでもよかったかなと。
カミュ:相棒ポジションなのだけど、バトルでは頼りにならず途中から控え。終盤メタル対策で最強と判明し、ここぞというときに先生としての出番が。
ベロニカ:物語を引っ張るのがこのひと。ロリ化でキャラ付けも万全だけど3DSポリゴンではいまいち可愛さが足りない。PS4の絵は可愛い、かな。
セーニャ:逆にPS4ではひょろりとしてどうなの、という外見だが、3DSポリゴンは秀逸でいちいち可愛い。仕草も含め、演出面ではPS4より3DSのスタッフの方がセンスがあるんじゃないか?レベルアップのポーズも何度も見たい。強引な姉の後ろ、控えめポジションも自分好み。今回イチオシ。バトルでは回復要員その1。
シルビア:物語として、勇者についていく動機が一番弱い。「3」でいうあそびにん、「4」のトルネコというところか。…いや、パノンだ!ともかくその分自由に動いているのは好感。ハッスルダンスが地味にうれしい。
ロウ:プロローグのところで王様たちと一緒に居たのを見ているのでやんごとなき血筋は予想できたが、まさか勇者の祖父だとは。エロジジイ設定はベタだなあ。バトルではセーニャの控え。
マルティナ:セクシー担当お姉さん。武道家姫設定も美味しいアリーナポジション?が、個人的好みではセーニャに負ける。レギュラー枠をシルビアと争う感じ。
グレイグ:敵キャラからの改心キャラ。その分業も決意も重い。勇者の盾となる発言にはグッときた。カミュを差し置いて後半の相棒ポジション。強いし。孤高の戦士といういでたちはライアンイメージだろうか。

音楽についても書いておこうかな。
すぎやま氏からは全曲新曲みたいな発言もあったが、蓋を開けてみると既存曲の嵐。結構なお年だし、
集大成的な今作としてはドラクエベスト曲集としての楽しみはあった。既存曲で記憶に残っているのはこんなところか。

「2」聖なるほこら
「3」冒険の旅、おおぞらをとぶ勇者の挑戦ジパング
「4」コロシアム、栄光への戦い、海図を広げて
「5」哀愁物語、王宮のトランペット、さびれた村
「6」精霊の冠、フォークダンス
「7」哀しみを胸に
「8」忍び寄る影、大聖堂のある街

とりわけ「3」の曲はこれみよがしに「これが聴きたかったんだろ!」って演出が鼻につくが、実際人気タイトルだし…。一方で新曲が駄作というとそうでもない。この年でもまだ「分りやすくて」いい曲が作れるというのはさすが。イチオシはセーニャのテーマか?命の大樹のテーマかな。哀しみや厳しさを強調するでなく、おだやかな曲調が良い。

ルノーガ登場的な曲も悪っぽくでいい。(youtubeがない)一回しか流れないのも含め、実際はかなり新曲書いてるのではないのだろうか?サントラが気になるところ。それと今作がすぎやま氏の最終作になってしまうのか、も気になるところ。