20世紀少年

コミックスを古本で買おうとしたら、約1万円。む。高いような気がする。そこで漫画喫茶で徹夜一気読みすることにした。8時間かかったが2千円。こんなもんか。以下ネタバレ気味の感想。



この話は大きく分けると四部構成になってるのかな。
・1部:20世紀のケンジの時代。
・2部:2014年〜のカンナの時代。
・3部:ともだち暦になってからの時代。
・4部:21世紀少年

1部はわりと予定どおり展開していく観があるのだけど2部で混迷。3部でグダグダ。4部でなんとかコジつけたけど後味わろしといったところか。あんまり完成度は高いと思えない。現代日本のリアル中年世代向け社会派/SF的味付けはさすが浦沢直樹。最初に考えただろう設定の作りこみはいいのだけど、週刊連載なので毎度引っ張っていくうちに物語の完成度が下がっていくという悪い癖が顕著に出てる。
ともだち側の、端役っぽく登場した悪役が皆最後には大物になっている。「こんなところにまで敵の魔の手が!」というともだち側の層の厚さが薄っぺらくなってしまった。
ヴァーチャルアトラクション便利すぎ。舞台を現在と過去の二重構造にするのに使ったのだろうけど、これってもともとはただの洗脳用マシンでしょ。なぜあそこまで作りこんでいるのかまるで理解できない。
邪推だけど、おそらく2部あたりで物語が破綻してきて(人気のため連載長期化とかが原因?)無理くりにつなげていったのが3部かと思う。フクベエ、サダキヨあたりはあんなに伏線とかキレイにおさえてあったのに、ほとんど語られないカツマタが出たところで確信した。ケンジの復活も唐突。最後の希望のはずのカンナまでが迷走しはじめたので、物語を収めるために急遽入れたのでは?カンナは「父が死んで一度は主役を継いだのに、一向に話を進められなくなって、父が戻ってきちゃった孫悟飯」のようだ。