STEINS;GATE(PSP)

 

わりと最近のタイトルをプレイしようとしてこれを選んだ。でも10年以上前の作品なのだな。…全然最近じゃないな。
時間移動ものは名作が生まれる可能性が高く、今作が評判が良いのも知ってたので期待値は上げた。当然そこはクリア。ただ作風としてリアルタイムで触れていた方が楽しめたはずで、そこは残念。

ひとに紹介するのが目的でもないのでネタバレ上等で感想いきます。

状況説明がくどいのはこの手のゲームに良くあることなのでそこは想定どおりだが、序盤は主人公の厨二病的言動に戸惑う。Dメールで過去に干渉し始めるところで少しづつ面白味が出てきて。タイムリープシステムが完成。実験は中止と決めるが、まゆりが突然殺されることで物語が動き始める。振り返れば彼女は最初から出ているのにタイムマシン開発にまるで役に立たない、おみそ的存在だったが、花澤香菜さんの声や、各種キャラ付けでいかにも守ってあげたくなる作り。そこに主人公の厨二病的言動のきっかけというネタばらしも加わっていて。そういう意図だったってことね。Dメールで希望を得たフェイリス、ルカ子、未来から来た鈴羽、敵の一味である萌郁、店長とその娘の人生を時間改変に巻き込んでいき、最後には物語のキーパーソンであり、孤独な時間改変に苦しむ主人公を助けてくれた紅莉栖の命までをも捧げてまゆりを救うのが基本的結末。このラストを見た頃が一番満足してたなあ。お話としてキレイにまとまっていたと思う。
しかし。ゲームの体としてはその他の結末も観ておかなければ「最後まで観た」ことにはならないんだろう。美少女ゲームを味わうかのように①鈴羽を不幸せにできない→同じ時間を散々繰り返してボロボロになった後、鈴羽とともに過去へエンド。(ここで終わっているが、その後の展開にあまり希望がもてない気がする)②フェイリスの父を見殺しにするなんて出来ない→歴史が変りすぎてフェイリス以外の人間関係が全て絶たれ(幼馴染のまゆりとまで縁が切れるとはどんな流れだ?)③ルカ子とは共に罪悪感を背負う宿命となり、そしてTRUEエンドへ。
このゲームの特徴は選択肢が行動にあるのではなく、携帯メールの返信であること。
正直ピンとこないシステムだったが、このTRUEエンドへのルートを見て真価がわかった。これまでもアドバイスなどでは頼りになってきた紅莉栖だが、メールのやり取りを通すことでより親密になっていく。遂には両想いになるが結末を変えられないのが④紅莉栖エンド。で。TRUEエンドはその先。序盤の序盤で放っておかれた、紅莉栖の死の真相が判明。一波乱あって全員死なないエンドへ。序盤の謎を知るうえでもTRUEエンドは見ておかねばならなかったわけだが、キレイなまとまりで言えばやっぱりまゆりエンドが好きかな。作品内で「何度もタイムリープして感情が疲弊していく」エピソードもあったが、プレイしている側もそんな感じ。長い物語を何度も読みなおしていくうちに新鮮さが薄れた点は否定できない。達成感はあったけどね。

作品感想としてはそんなところだけど、付記しておきたいことがいくつか。ひとつはX68000新海誠の「君の名は」でも背景にさらりと登場してくるが今作はタイムマシンのパーツのひとつとして大活躍。本文中にも「X68000」のワードが何度も出てくる。これはX68Kユーザーとしては泣くね。ファミコンというビデオゲームの歴史の裏で忘れ去られたホビーパソコンのシンボルとしてX68Kを用いたというわけか。これを見て若いひとが知ってくれれば…って10年前のゲームだからリアルタイムでプレイしてた若者はもう若者でもないのか(苦笑)。
その流れで語りたいのが、志倉千代丸氏と阿保剛氏。
志倉氏を初めて知ったのは、「爆走デコトラ伝説」。トラックで激走するバカゲーテイストのゲームだが、トラック運転中に流れるBGMが演歌。いい曲揃いだったので、調べてみたら「作曲:志倉千代丸」となっている。名前もそれっぽいし、すっかり演歌の作曲者だと思い込んでいたら、いつのまにかオタク系企業のトップとして名前を見ることになり戸惑った。一方の阿保氏との出会いは「EVER17」。メタな大仕掛けのゲームで個人的にかなり衝撃を受けた作品だが、そのゲームのBGMを担当されていた。しっとりとして落ち着いた作風。ふたりともX68Kのユーザーだったとは!同志を得た心持ち(勘違い)

 

志倉氏曲のお気に入り(爆走デコトラ伝説~男一匹夢街道~:花恋唄 ※このゲームの演歌は全部好き)
https://www.youtube.com/watch?v=sVW6tjd7uBA


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阿保氏曲のお気に入り(Karma:Ever17)


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「アイの歌声を聴かせて」

ネットの記事での高評価を観てピンときた。
自分は割と直感を大事にしている。こういうときは観に行くべきだ。前情報はなるべくシャットアウトしてね。

以下感想。

土屋太鳳演じるAI少女シオンが唐突に歌いだすのはあらかじめ知っていた。そこは覚悟していたので良いのだが(周囲のメカを動員しての演奏・効果はなかなかいい演出)むしろそれ以外、ドラマ部分の唐突な展開に違和感。ちょっと強引じゃないかなと。そこはわざと騙されに来ているのだから、と自分を言い聞かせながら観ていく。

でも。シオンの言動の由来=この作品の核心が明かされる終盤にじわっと来たあとは概ね許せてしまった。そりゃあ高評価になるな。ただ万人向けかどうかは難しい気がする。最後まで粗が気になる人もいるんじゃないだろうか。

特筆ものは土屋太鳳さんの演技。これまでの彼女の演技力はほぼ観ていないので知らないのだけど、AIらしい棒読み感とまっすぐで明るい声質。そしてミュージカルらしい歌声。シオンがハマり役すぎる。終盤に少しだけ人間っぽくなってる演技までもが素晴らしかった。

ごきんじょ冒険隊(SFC)

ときにはこういうホンワカしたのをプレイしたくなるんだよね。
期待以上に良かった。少し前で書いた個人的評価軸「「物語」と「音楽」」がしっかりできていて、難易度も優しい。

特筆すべきは世界観。ごきんじょの平和を維持するために冒険する幼児園児たちがかわいすぎる。育成パートの勉強時間が「数学」「英語」とかじゃなくて「おゆうぎ」「おはなし」「おひるね」。なんてうらやましい日常か。どんな場所にも迎えにきてくれるまどかママも、面と向かってはキツいこと言うけど陰で見守ってくれるお兄さんもいい。町全体が基本的にあたたかい。そりゃ相手が幼児だからな。

バトルもいい意味でおかしい。体力を回復するのに体力を使うあたりは馴染めなかったが、ゆずや執事が気まぐれに回復してくれるし、基本短期決戦&バトル毎の完全回復。なおかつ負けてもゲームオーバーにはならない。特訓して戦場に戻ってくる安心仕様。そしていつの間にか増えていたひっさつわざ「よいこホームラン」が強力すぎ。リピートお守りを付けてればもう一回わざ発動で、終盤でもザコキャラは1ターンで消えてくれる。

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よいこホームラン!

そういうホンワカなノリだけに、「恐怖・悪」というテイストをほんの一粒投入するだけでも効果は絶大。今作における真の敵は人々の心に潜む悪が具現化したもの、でいいのかな。人の心を乗っ取って操るのも不気味だが、別世界に閉じ込められ、家族から責められる「ぼうけんたいさいだいのきき」は相当怖かった。幼児にとって家族に見捨てられる恐怖とはこういうことかと。


そして、音楽だよな。
森彰彦氏は「ミスティックアーク」でその力量は知っていたのだが、最近「制服伝説 プリティ・ファイター」を聴いてもっとケバケバしい曲の方が持ち味では、と見直していたところだ。当作でその認識に対して確信が増した。さまざまなジャンルのべたな曲の散らばり具合がすごい。演歌とか。もっとも有名なのがジャズな戦闘曲ね。

ノリも良くて格好いい。いつまでも聴いていられる。(さらにボス曲→ラスボス曲とランクアップしていくと、「ミスティックアーク」っぽい荘厳な曲調になっていく…。幼稚園児のバトルでだよ?)


しかし、自分が好きなのは、そんなべたでにぎやかな音楽のなかで唯一、シンプルにしんみり染みる曲。…そもそもタイトル知らないし、YOUTUBEでも見つからないのが勿体ないのだが。「ぼうけんたいさいだいのきき」の危機が去った後にこれが流れた時は鳥肌ものでしたわ。終盤になると、この曲の出番が増えてくるんだよね。エンディングもこの曲。

そしてラストは「渚のプリティエンジェル」

昭和アイドル感がすごい。イントロのインパクトが素敵。

 

さて。このタイトルはゲーム開発と合わせてキャラデザインを担当した漫画家によるコミック作品もある。


購入した。

ゲーム開発と並行しての連載だそうで、キャラクターとおおまかな世界観は同じだが内容は違う。デビルマン(コミックVSアニメ)パターン。だが、あそこまで極端な違いはないな。
ご近所を救うのではなく、もっと園児らしく「不思議な回覧板」に導かれてご近所を冒険する物語となっている。プレイされる無味無臭な主体である「ゲームの主人公」ではなく、まなのキャラがしっかり確立しているのがうれしい。ゲームと違いわりと財布にやさしい値段であるので買ってよし。これもこれでオススメできる。

ドキドキ文芸部プラス!(SW)

最初にこのゲームの評判を見つけた時から、プレイすべきとは思っていた。
が、その時点では気がひけた。無料とはいえPC版。PCに新たなアプリがインストールされるたび動作が重くなったり、不具合が起きるリスクが少しづつ高まっていくからな。日本語化するにもひと手間かかるそうだし。

それが。忘れていたタイミングでSWITCH版登場。今度こそ、忘れないうちにプレイすべきだ。有料だけどな。

プレイした個人的感想は、まどマギ+Ever17÷3+α。
かわいい。ゆるふわな装丁で始まるものの、唐突に狂気が襲ってくるのはまどマギメソッド。両作とも、ある程度仕掛けがあるらしいとの事前情報を得てから触れたので、「いつ正体を表すんだ?」と身構えて臨んだ。それもまた楽し。
周回プレイ前提な美少女ADVで、なおかつメタ的な仕掛けという点ではEver17に似ている。設定も展開も壮大なEver17に対して、今作の仕掛けはコンパクトにしてダイレクト。分かりやすい。仕掛けが「PCというメディア」部分にまで及ぶのがこの作品のオリジナリティ。だからPC版(オリジナル)の方がその醍醐味を味わえるのだが、自分のPCが壊されてしまうように思えてしまうのも嫌だからなあ。後にプレイ動画を探してみることにしよう。あとサイコ演出はなかなか。ゲームが壊れていく演出もいいが、…あ、それはFinal Re:Questで見たな。…結局、すでに様々な経験を積んだじじいには、こういう驚きは新鮮には楽しめないのだった。

 

モンスターハンターストーリーズ(3DS)

モンハンが任天堂ハードに来てから、馴染もう馴染もうと思ってプレイしてはみた。3はWii3DSWiiU。4(3DS)も買った。カプコンの素晴らしい技術は伝わったのだけど、モンスターが強くて疲れる。物語らしきものがないので何すればいいのか分からず。序盤でリタイア。友達と遊ぶのには良さそうだけど、一人遊びでは辛いシリーズのかな、と。もちろん、全容は知らないままなので評価できぬまま。

このモンハンストーリーズは、買ってはあったものの、子供向けっぽいイメージングで興味も半減。ずっと積み状態だった。でもSWITCHで2が出たからね。これをきっかけとして遊んでみた。

普段自分が評価の軸にする「物語」と「音楽」についてはそんなにすごいとは思わなかった。しかしこの作品についてはそこは軸ではないんだよね。(もちろん。ありきたりのストーリーは、次にどこに行けばいいのか、何をすればいのか自分を誘い、音楽は、メロディは心に残らなくてもそれとなく気分を盛り上げメリハリを付け。ちゃんとするべき仕事はしている。)

素晴らしいのはモンスター(=オトモン)に乗って駆け抜ける世界(モンハン本編にはこんなにずっと歩ける世界はなかった)。オープンワールドと言うと大げさだが、それを意識するぐらいの広さはある。後半になると空まで飛べる。その爽快感はブレスオブザワイルドにはかなわないが、こっちは3DSによる立体視表現がある。世界を歩き回り、飛び回るだけでも、満足はある。

そして、すべてがきちんと関連づけられたシステム。
まずは分かりやすいバトル。三すくみガチンコでオトモンと絆を深め、ライドオンして必殺技という流れ。
次にランダムに配置されるモンスターの巣。ここで卵をゲットしてオトモンを増やす。使えないオトモンにも、遺伝子レベルでいいのがあれば、それをお気に入りオトモンに移植して強化。強化したオトモンでバトルに勝ち、世界を旅する。カプコンの技術力がその楽しみを確実なものにしてくれる。

ストーリーはクリアしたが、まだまだ遊ぶ余地は残っている。個人的には入り込めなかったままの本編よりストーリーズの方がずっと肌に合っていたようだ。ただひとつ気になるのは。ストーリーズはモンハン世界の物語だが、この物語のキーであるモンスターライダーは本編にも出てくるのだろうか?

(参考:これは全て買ってはいるんだよ。)

WiiU版はモンハンセット品を購入しています。

 

赤川次郎の幽霊列車(FC)

手短にプレイできそうだと始めた。
それに、タイトルの「赤川次郎」だけでなく絵「わたせせいぞう」に音楽「すぎやまこういち」にピンときた。豪華スタッフだなと。知らなかった。

原作未読なのでシナリオは普通に楽しめた。あっさりめなのは悪くない。リアルタイムに定価で買っていたら違った感想になっていたかもしれないが。

わたせせいぞうのタッチ…ところどころ崩れ気味だが、それでも、全体の印象がとてもわたせチックで良い。全画面を背景にした心意気も素敵。(この時期のゲームはメモリの問題もあってそんなに大きい絵は描かない)さらにそこをキャラクターが動けばもっと良い…と思ったのだろうね。でもこのシステムでそれは蛇足。都度「話す相手に近寄る」という無駄な作業が増えただけだった。さらにコマンドの選択移動が滑りがちでかなり不快。作ってる方も途中で気づいたはずだが、予算と期間の都合で直せなかったんだろうな(邪推)。試行錯誤期の作品ですね。

そして、プレイ動機の最終推しはすぎやまこういちの音楽だった。氏にはドラクエ以外にもいくつか作品があって、ジーザス、アンジェラスはプレイ済みだったが、こういうライトミステリーなのは初めてかも。他作品では少ない軽快なリズムに時折流れるドラクエチックなメロディライン。これはこれでなかなかいいね、なんて思っていたら突然訃報のニュースが目に入り愕然とした。なんというタイミングか。氏の新曲がもう聴けないなんて。DQ12の曲を製作中とのことだったが、何曲ほど入ってくるのか。後任…。ともあれ優れた楽曲提供はもちろん、ゲーム業界の黎明期に一般の有名作曲者としてすぎやま氏がゲームに携わってくれて、どれだけ日本のゲームミュージックの認知度向上につながったことか。その功績は計り知れない。ご冥福をお祈りします。

なお、このゲームの曲の一部はこちらのCDで聴ける。

ゲーム出だしの「静かな朝」がこの作品のカラーをバシっと決める。


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「女子学生 夕子」がヒロインの爽やかな活躍に色を添える。


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最後にすぎやまこういち氏の曲で一番のお気に入りを書いておこう。DQ4勇者の故郷」。
滅ぼされた村から独り旅立たねばならない衝撃の展開にこの曲が流れ、勇者自身と自分の気持ちがシンクロした瞬間は決して忘れられない。オーケストラ版もいいが、やっぱりFC版が一番。


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見損ねた!

自分の部屋。窓の外の景色はすぐ駅のホーム。
電車の遅延などはそこの様子と駅構内放送でダイレクトに伺えて便利なのだが、もちろん騒音によるデメリットの方が多い。電車が通過すると重要なテレビドラマのセリフが掻き消されるのも茶飯事。しかし一番の問題は深夜の工事だ。1,2年前から定期的に繰り返され、睡眠を妨げられることもざら。そんなときはぼーっとホームを眺める。工事頑張ってるなあ。電車マニアから羨ましがられるかな、的な工事用車両なんかも来てたりね。
最近の工事はどうもホームドア設置らしいな。という予感から、実際に告知を見て。
せっかくだから設置する瞬間を見てやろうと思っていたのだが。

昨晩だったのか。悔しい。