野田解散に思う

動画も観たが「16日に解散する」と言い切る野田氏には迫力があった。解散権を持つ首相ってのはやっぱり違うな。小泉元首相が郵政解散をした頃の記憶が脳裏をよぎる。

さて。民主党に政権を任せておけないという自分の立場ではこの解散は大歓迎。でも「嘘つきにはなりたくない」という信念で職務を投げ打つのはイチ政治家としてどうなのか。小泉氏のときは、より強固になった政権が自分に戻ってくる勝算があったろうけど、野田氏はそうではない。この状況で勝算があると思ってるんなら大したもんだ。支持率がどれだけ低くても、泥を被り続けても、首相である限りやるべきことをやりぬくべきではなかったか。人間としてはイイひとであっても、良い政治家であるとは限らない。

ここで思い出すのが自民党前総裁谷垣氏。彼も野党党首として散々泥を被り続け。「近いうち」解散の約束を取り付けたところで交代させられた。当時の自分は「近いうちとかあいまいな言葉に騙されるようなお人よしには首相は任せられない」と思ったけれど、結局この言葉を引き出した谷垣氏の功績ということになるのかな。野田氏、谷垣氏共にイイひとだったからきっと通じるものがあったろう。で。イイひとたちはキビしい政治の表舞台から去っていく。

自分は小泉氏を政治家として高く評価しているけれど、身近にいたとしてこんな変人と付き合いたいとは思わない。安倍氏は前回首相なりたての頃にはお坊ちゃん的な甘さが見えたが、あれからいろいろ経験したはず。老獪さ、したたかさを得て良い指導者を目指して欲しい。