いろづきチンクルの恋のバルーントリップ(DS)

いろづきチンクルの恋のバルーントリップ

いろづきチンクルの恋のバルーントリップ

クリアしたので感想を書きたい。
まず。チンクルシリーズはDSで2作出ている。1作目の「もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド」は当時のDSの勢いもあって購入したのだが、序盤でギブアップ。思えば自分はラブデリ系に弱いのであった。
チンクルは「ゼルダの伝説」で生まれたキャラクターだが、この2作はゼルダの外伝的な立ち位置よりなにより、制作会社のカラー、ラブデリ系の色が濃い。(制作会社 バンプール社 はラブデリ系の始祖、ラブデリック社の分派。)wikiにもいろいろ書いてあるが、自分的にはラブデリ系の特徴は

1) テーマがひねっている。
2) ビジュアルデザインが独特

だと認識している。1) ひねっているのは好きだけど、どうひねるか、落としどころは?が気になるところで、2)にいたっては独特なビジュアルにあわせて動きやテンポも規定されてしまい、時にやぼったくなる場合が多い。要するに自分にとって、あまり良い印象ではないのだな。(好きなひとがいるのもよくわかるけど)それでも「ひねり方」が見たくて結構気にしてしまうのだ。

そういう状況なので、いろチンは新発売では買わず、安くなったタイミングを見計らって購入。さらに完全版サントラCD(2枚組み)同梱のガイドブックが近所のブックオフで500円程度で買えた。

それでも実際にプレイするまで1年半近く間を置いていたのだな。

前置きはこのへんにして、ずばり感想を書くと、十分満足できた。
ゲームのスタイルが非常に素直なアドベンチャーゲームでボリューム満点。そこに「バルーントリップ」によるタイムトリップ的システムと、「ラブプッシュ」なる女性へ貢物を捧げて自分への好感度を上げるシステムが効果的に組み合わさっている。
一番の肝は、もちろんシナリオだ。(以下ネタバレ注意!)
ラブデリ系のひねたノリはまぁいつもの如くなんだろうが、泣かせる演出がうまかった。死んでも気づかず律儀にトンネルを堀り続け、開通と同時に日の光を浴びて消えてしまう幽霊(ゾンビ?)の話とか、己れの弱点を克服して、自らを犠牲にしてもチンクルをダンスパーティに向かわせようとする3人の仲間たちの話とか。ヒネた世界観にもってきた直球の泣きどころ。良いです。
前述した「ラブプッシュ」の効果を上げているのは、チンクルの特性、非モテ。顔を一目みただけで老若関係なくすべての女性に嫌われるチンクルが、魔法の力とはいえ貢いで貢いでようやく会話してもらえる流れは涙なしは見られない。しかし終盤あたりになって、相手の女性のハートを2、3と埋めていってモテモテになっていくのは違和感バリバリだったが、そこは許そう。行動でも示してたしね。

ラストはそんなラブラブになった女性たちから1人本命を選んでダンスをする展開に。自分は結構悩んだ末、物語的には全くタッチしていない電車オタクのアズサを選ばせてもらった。王道で考えると、当初の目的であるプリンセスだったり、道中でお世話になったイオナあたりを選択すべきところだが、アズサ嬢と照れながら興じた「愛の二両編成」に心を打ち抜かれたからに他ならない。それと、「現実に帰る/帰らない」という選択もあって、これも少し迷った。が、結論として帰らないことにした。通常ならば帰るべきなのかもしれないが、ゲーム出だしで示された彼の現実の姿があまりに不憫で、結局どちらの世界の絆が強いか考え、仲間たちのいる新しい世界を選ぶのが自然かなと判断した。現実世界の描写で家族や友人などの存在が具体的に示されていたらもっと迷っていたはずだ。(実際、表示されていた絆といえば、飼い犬(ワンクル?)だけだったしな。)

最後にサントラを聞きながら好きな曲を。「コーンフィールド・メモリーズ」「私を照らして」「Dunkelmusik」「ウキウキ ナ ヒト」「Private Polka」あたり。なにげに名曲多いかも。

もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド

もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド

↑こちらはアクションRPG。序盤で止まったっきり。