X68000 HDD サルベージへの道(1)

アダプテックジャパン SCSI-to-USB変換コネクター USB-Xchange/JA KIT

アダプテックジャパン SCSI-to-USB変換コネクター USB-Xchange/JA KIT

相当前からしなくては、と思っていた。実家のX68000のデータのサルベージ。
電源付ければちゃんと付くけど、埃まみれでキーの反応も悪くなっている。
外付けHDD(80MB!(当時11万円で購入))から中身をぶっこ抜いて、データを現在の自機に乗っているX68Kエミュレーターで動かしたり、時々WINDOWS環境にもってきて活用したりできないだろうか。いや、出来るはずなのでは。きっと。わりと弱気だ。
HDD はSCSI環境。ネットで調べるとSCSI<>USB変換アダプタなるものがあるそうだ。ただSCSIといっても端子がいろいろあって苦手なのだ。根元はフルピッチってやつ?時代を感じまくりのデカいのだが、そこからわりと小さいサイズに変換するアダプタは手元にあった。(物持ちはわりといい。)しかしSCSI<>USB変換アダプタを通販で買ったところで、その端子がちゃんと合う保障はどこにもない。こういうときは詳しいひとに聞くのが一番だ。

そんなわけで翌日。手近で詳しそうな会社の同僚Sに事情を話すと、さすが。ちゃんとSCSI<>USB変換アダプタを持っていて、貸してくれるという。ちゃんとこちらのアダプタとはまるはずと請合ってくれたが、念のため手持ち分を渡しておく。だが。もちろん話はそんなに甘くない。彼が持ってきてくれたSCSI<>USB変換アダプタは自分のアダプタと一見同じ大きさに見えるが、微妙にはまらない…。ほら。だからSCSIは嫌なんだよ俺は!こうなったら秋葉だ。秋葉に行って、これらの間を取り持つアダプタを探すしかない!S氏も「こんなのジャンク屋に行けばすぐ見つかるよ。一緒に見に行こう」と頼もしいコメントだ。

早速その日、会社を定時で上がり秋葉に直行する。S氏の行くところは自分もある程度予想していたが、さっぱり見つからない。「こんなはずでは」と困惑するS氏。だがそうなのだよ。あると思っていた部品が気が付くとさっぱりなくなるってことは秋葉といえども良くあることなのだ。多少意地も込めてジャンク通りをしらみつぶしに探す。定時に会社を出たとはいえ、秋葉の夜は早い。20時には概ね閉店してしまうので時間的余裕はあまりない。最初は形跡すら感じなかったが、よりジャンクな店を巡るうちにSCSIのケーブルとか、それっぽいアダプタとかの姿も見つかり始める。それでも目的のアダプタにはまだまだ遠い感じだ。末広町あたりまで来て、本通りに戻ると、若松通商のビルが見えた。かつてはTHE COMPUTER館の正面に位置し、HP200LX のパーツ購入でお世話になった店だ。そこのビルは上階をメイドカフェに陣取られてしまい、中の店もまるごと変わってしまったが、若松はこっちで生き延びてくれていたのだな。2FのPCパーツ売り場でそれらしい延長コードを発見!さすがは若松か?袋に入ってて確かめられないが、賭けで購入するか?だが、店員にそれを見せるとどうやらこれも規格は違うらしい。危なかった。それにしてもその店員には見覚えがある。きっとHP200LX通いのときのひとに違いない。
ともかくジャンク屋系では見つからず、あきらめて方針変更をする。ヨドバシカメラに行くことに。ジャンク的なものはまるで期待できないが、普通に流通に乗っているものなら品数豊富な店なので、別商品のSCSI<>USB変換アダプタが売っているかもしれない。であればまた違ったSCSI端子になってるかも。ヨドバシ2FのPCパーツコーナーを散策してほどなく、SCSI<>USB変換アダプタは見つかった。S氏のとは違うタイプだ。中を開けて端子を確かめたいのだが、かなりマニアックな話だからより詳しそうな店員を選んで声をかける。そして。「このタイプではお手持ちの端子には繋がりませんよ」つれない回答。「もともと変換アダプタは持ってるんですが、間にかますのがないのですよ。」と話すと「それなら」と、店員すたすた歩きだす。あるのか?SCSI のアダプタ、ここにあるのか?…あった。ずらっとアダプタが並ぶコーナの一角、目立たない下の方に複数のSCSIアダプタがある!ただし品調べする店員は黙ったまま。やはりここにもないのか?規格が違うというのか?ここであきらめなくてはならないのか?おそるおそる「あの、1コで無理なら複数かませてもいいんで」というと、なんだという顔で2つのパーツを選んでくれた。「これとこれでいけます。間が多いと転送が遅くなりますが」「構いません!どーせ使うのは1回だけですから!」そんなやりとりで購入完了。上の階の飲み屋でS氏とささやかな祝勝会。ビールを頼むと到着もまたずにパッケージを開ける。手持ちのUSBケーブルとアダブタ、購入した部品すべてを繋いでみる。繋がる。それぞれがガッチリと繋がる。相当不恰好だが、これだよ。これでデータサルベージできる!S氏と別れ、強い希望をもって帰宅した。