燦(きらめき)のとき やさしさのうた 大杉久美子40周年記念

アニソンの女王といえば堀江美都子なのだけど、70年代〜80年代前半に限っていえばこのひと、大杉久美子だと思う。歌に合わせて母から幼女までの声を使いこなし、いい意味でクセがない。(逆に堀江美都子はいい意味でクセがある。)でもこのふたり、アニソン歌手デビューはほぼ同時期の1969年(って自分の生まれた年かよ(^^;))。今でも第一線で歌っている感のある堀江さんに対して、しばらく歌声を聴かない大杉さん。その理由が良くわかった気になってしまうのがこのアルバム。彼女の持ち歌をひととおり網羅しているため、時代ごとの声の変遷が見えてしまう。初期のアタックNo.1の頃こそ「声より勢い」という印象だが、瞬く間に歌唱力がアップ。世界名作劇場の頃、黄金時代を迎える。その後テクニックこそ強まるものの、反対に声自体のもつチカラ強さ、包容力が一気に弱まっていってしまう。大杉さんが悪いわけでもないのだろうけど、喉を維持するのがいかに大切か。堀江さんの凄さが分かる。
で。以下はアルバムでの各曲感想。アニメタイトルごとに。

ピコリーノの冒険

ピコリーノの冒険 BOX1 [DVD]

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マイナー調のしっとりとした曲かと思うと能天気な「オリーブの木陰」。「ごめんねおじいさん」は素直に泣ける。作曲:中村泰士。なるほどね。

ミームいろいろ夢の旅」

「ちいさいかわのうた」。単純な詩、曲で返って難しそうな歌。このアニメタイトルもなかなか名作らしいのだけど、あんまり覚えてないし、DVD化とかもなさそうだ。

あらいぐまラスカル

あらいぐまラスカル 完結版 [DVD]

あらいぐまラスカル 完結版 [DVD]

世界名作劇場ものはどの曲も好き。作品の国、時代を彷彿とさせるメロディが素晴らしいのよね。そのなかでラスカルは割りと記憶に残っていなかったので、ちょっと新鮮さを感じた。昨年聴いた「クリスタルベアラー」でカントリーが好きになったのも影響しているのだろう。ED曲「おいでラスカル」。「つりびより」は挿入歌かな。

ジャングル黒べえ

ジャングル黒べえ (藤子・F・不二雄大全集)

ジャングル黒べえ (藤子・F・不二雄大全集)

もともと好きな曲なので、OP,ED共に良く聴くのだけど、このはっちゃけぶり。異彩を放っている。
なんてここでも書いてるか。重複だ。

「風船少女テンプルちゃん」

風船少女 テンプルちゃん DVD-BOX

風船少女 テンプルちゃん DVD-BOX

これまた歌詞、曲ともに凄い曲が集まっている(笑)アニメ自体名前だけで見た記憶がないのだけど、一体どんな作品だったのか。「ぼくらは旅の音楽隊」「テンプルバンドのうた」「風船少女テンプルちゃん」。どれも楽しすぎる。

「ドンチャック物語」

ドン・チャック物語 1 [VHS]

ドン・チャック物語 1 [VHS]

この作品の歌があっただけでも、このCDを買った価値がある。すごいよ。まずは第一期OP「ドン・チャックといっしょに」。「よいこのみんな、ドン・チャックだよー!」から始まり「はぁーあ ドン・チャック!」「よいやさのきたさ!」で終わる、何も考えてなさげなナンセンスな歌詞と、それにぴったしの曲。しかしED「夢見るドン・チャック」では「チャックのなみだは そらのほし、チャックのかあさん おつきさま」と一転してシックで悲しい曲調に。さすがは作曲:森田公一。第二期OPの「空いっぱいの夢」も勢いと覚悟のある名曲だが、どの歌にも「ドン・チャック」という単語が歌詞内にコーラスに散りばめられててカラオケで歌い憎いのがまた楽し。

とんでも戦士ムテキング

とんでも戦士ムテキング DVD-BOX 1

とんでも戦士ムテキング DVD-BOX 1

このアニメで大杉さんが歌っていたのも驚きだが(アニメで使われなかったらしい)、この曲、秋元康の作詞家デビュー作なのだね。歌はプリディーこの上ないが、しゃべり声で昔ほど歌っている感じがしない。

「まんがのくに」

ここまでくるとどんなナンセンスな曲でもどんとこい、で「おいかけロック」「動物くらべっこ」もなにげに好きになっちゃったりする。