年の暮れ

夜間ドライブから戻って、マンションの駐車場に入るところでドッキリ。暗くてよくわからないのだけど、駐車場の入り口、段になっているところで見知らぬ男が寝ている。そのまま放って帰宅。自室の窓からそこを眺めると、目は覚めたようだが、座ったまま呆けている様子だった。ただの酔っ払いか、悲しい出来事でもあったのか。
その後ネットして、風呂に入って思い出した。そういえば「彼女」が凍死しかけたのはこの近所。今日みたいな寒い夜だった。気になって再び外を見る。男の姿はなかった。自分の車と男が寝ていた場所の中間地点にカバンらしきものが落ちていたのでコートを羽織り、降りてみる。紙袋にはセーターと手袋、煙草の箱があったので、自分のものではなさそうだ。さっきの男のものだろうか。軽くマンションを一周したが、人の気配もなく家に戻った。彼はちゃんと暖かいねぐらに入れただろうか。年の瀬にひとの不幸は見たくない。