トワイライトシンドローム「探索編」「究明編」(PS)

トワイライトシンドローム探索編

トワイライトシンドローム探索編

  • 発売日: 1996/03/01
  • メディア: Video Game
 
トワイライトシンドローム究明編

トワイライトシンドローム究明編

  • 発売日: 1996/07/19
  • メディア: Video Game
 

リアルタイムでクリアしてるのだけど、もちろんすっかり忘れているので新鮮な気分でプレイできた。というか、多分一回通して終わっているのでエピソードによっては正しいクリア=大吉を見ていない可能性も高い。

この作品。数人の女子高生が夜の校舎を徘徊する横スクロールという絵柄が印象的だが、物語として見ると、主要キャラクターの構成が盤石だと分かる。現代風で(といっても90年代の話だが)コミュ力が高く、軽い気持ちでオカルト探検ネタを持ち込む岸井ミカ=<始める者>。古風で慎重。霊への理解も知識も高い逸島チサトがトラブル収束の鍵を握る=<終わらせる者>。そんな対照的な二人の中心が主人公存在、長谷川ユカリ。ミカがユカリに近づくきっかけは、姉御肌な彼女にビビっときたフィーリングらしいが、チサトとユカリは幼馴染の腐れ縁。そんなふわっとした三角関係を保ちつつ、小エピソードたる探検は進む。

以下、好きなエピソードの感想。

・第二の噂 音楽室のM.F
お化け屋敷状態の校舎でドッキリ!なこのゲームに、切ない物語を持ち込むシリーズの方向性を決定づけたのがこのエピソードではないかと。
なにげにピアノ曲Rainyもお気に入り。


Rainy (from Twilight Syndrome トワイライトシンドローム)

・第五の噂 雛代の杜

中盤の山場。雛代の歴史を紐解くところ、ミカを巡って幽霊の少女とユカリが取り合う展開が見どころ。


・第六の噂 夕闇の少年
「音楽室のM.F」は学校の定番ネタ恋愛を扱ったものだが、もう一方の学校定番ネタ:いじめがこのエピソード。被害者・加害者双方がいじめがあった事実を嘘で誤魔化しているところ、とてもリアルでやるせない。


・第七の噂 テレホンコール
ちょっとしたアイデアで低コスト&独特な効果をもたらすこういうの、自分は大のお気に入り。素晴らしいです。


・第八の噂 錆びた穽
ちょっと狙いすぎで作品のカラーを壊しかねないエピソードだが、製作側が入れたかったんだろう。気持ちはわかる。この時期はまだ戦後50年だから、あのじいさんもぎりぎり戦争の生き残りだった可能性もあったが、あれからさらに20年。このエピソードを再現したらほぼ確実に幽霊ですな。

・第十の噂 裏側の街
夕闇(トワイライト)の異世界で、記憶を失ったユカリが、死へ向かう直前で記憶を取り戻し、悩みはあってもそれでも、だからこそ現実に帰ってくる展開には、その風景の表現含め、物語の完成度が非常に高い。この作品の最後を飾るに相応しい大団円。「はてしない物語」とか「ファンタステス」とか「リリス」とか。いろいろ思い出したですよ。

こうしていい感じで終わった話を、おまけシナリオがぶち壊す。

・Prank
事後で情報把握済み。覚悟はしてたがなるほど電波が凄まじき。もちろん続いて「ムーンライト・シンドローム」もプレイしますよ。

 

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)