女魔術師ポルガラ

運命の姉妹―女魔術師ポルガラ〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)

運命の姉妹―女魔術師ポルガラ〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)

「結末も展開も分かっているのに、面白い」。ベルガラスの7000年に対してこっちは半分の3000年。歴史の流れを追っている点はベルガラスと全く同じだけど、女性としての視点、またアレンディアで国の政治に関わったり、ガリオンの家系を紡いでいったりと、より人との交わりが多い彼女の物語は、ベルガラスが神話とすると、こちらは歴史書的な趣きを感じた。さらにベルガラスのポルガラが同時に居る場面は両方の視点で読み比べることが出来る。こじつけだけど、2つの似たような世界を行き来するドラクエVIみたいな印象。現実世界と夢世界、より2人の人物による視点、という見せ方の方がよっぽど面白いけどな。ベルガリアードで反抗状態のガリオンにポルガラが怒るシーン、ちょっと大げさな感じで読んでたけど、こっちを読んでからだと非常に共感できる。