逆転裁判6(3DS)

クリアにつき感想。ネタバレしまくり。
前作感想はこちら
4で原作者たる巧 舟氏が再起不能にしたこのシリーズを、残されたスタッフがどう立て直していくのか、そういう裏側の都合が一番気にかかってしまうわけだけども、その点では前作並み、それ以上に力強いうっちゃりを感じた。すげーよ。
第一報で「成歩堂が異国で裁判」、って聞いたときは本作がどこに向かおうとしてるのか本気で心配しちゃったけど霊媒の国という設定でまず納得。4以降置いてきぼりしてきた当シリーズのエッセンス、綾里真宵とトノサマン復活が主眼だったのか。おかげでシリーズとしての安定感が強く出てきた。さらにこのまま成歩堂が活躍して終わるのかと思っていたら、最終話、まさかの王泥喜主役抜擢。4の主人公として設定された彼は成歩堂劣化コピーでしかなく、成歩堂復活後影が薄くなりがちで扱いが難しかろう。このままフェイドアウトしていくのかと思っていたのだけど、当作最終話で一人前に成長して大団円の卒業エンディング!まさに理想的なかたちでシリーズから追いやったといえる。霊媒ネタも最大限に活用したし。より楽なカタチで7に繋げられるはずだ。
しかし綾里真宵周りのテーマは確かに過去3部作のキモではあったけど、一方で使い古し&反則づくしで将来的には扱いづらいはず。4で舞台設定をやり直したのもそういう意味があったのだろうし。なにより成長した真宵ちゃんは子供+大人でキャラが不安定ですよ。7では彼女=倉院の里との距離感が新たなる課題になる予感。ここでまたスタッフの手腕が問われることになるだろう。(全く出てこないかもしれない…)
その他つっこみたい話として。ナユタ&宝月茜が便利に使われすぎ。主人公たちがクライン<>日本でバラバラに活躍しているのに、ライバル側が都度移動ってご都合すぎ!全話の統一感にひと役買ってるのは事実だし、寄席で落語に詳しいナユタという意外感はいいけどさ。

[2016.07.04追記]
追加DLCシナリオもクリアして思ったのだけど、今作は障害者ネタが多すぎませんかね。「相貌失認(失顔症)」「多重人格」「前向性健忘(一日で記憶がリセット)」。ミステリーの仕掛けとして有用ではあるけど、ちょっとやりすぎでは?