合成怪物の逆しゅう

小学生の頃に図書館で読んだSFのうち、一番好きだったのが「三本足シリーズ」。これはちょっと前にハヤカワで出てくれて非常にうれしかったのだけど、それとは別に異様で強烈な印象をもっていた作品がふたつある。死を扱ったSFでひとつは「いきている首」。もうひとつはタイトルを覚えていないが、目と耳と口がひとつづつ付いた気味悪い小さな合成生物が活躍する話。調べてみたら、まだ図書館に残っている?いや、当時のは見つからなかったが、2004年に復刊していたようだ。これは読まなくてはと図書館で借りた。冒険ファンタジー名作選(17)、「合成怪物の逆しゅう」。(自分が読んだ当時は「合成怪物」だったようだ)

合成怪物の逆しゅう (冒険ファンタジー名作選)

合成怪物の逆しゅう (冒険ファンタジー名作選)

子供向けに翻訳されているので30分ほどで一気に読めるのだけど、その分物語の骨格がはっきりしてメッセージがズシンと重い。冒頭でいきなり死ぬ主人公。なお脳だけが生かされた彼が独自に前述の合成生物をつくりあげ、そして最後に切なくも幸せなエンドを迎えるまで。対象である子供にはトラウマを持って読んで欲しいし、センスオブワンダーを愛する大人にも強くおすすめしたい。十分鑑賞に堪える。
(その後、調べてみたら復刊ドットコムにトラウマ多き愛読者たちのメッセージが(2002年当時)。みんな好きだったのね。)

次は「いきている首」でも読むか。

いきている首 [冒険ファンタジー名作選(第1期)]

いきている首 [冒険ファンタジー名作選(第1期)]