ストームブリンガー―永遠の戦士エルリック〈4〉 (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: マイクルムアコック,Michael Moorcock,井辻朱美
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 文庫
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原作は1960年代から書かれているが、最初の日本語訳が出たのが1984年。自分が中学の頃かな。たまたま朝日新聞の書評を読んで興味をもった、初めて意識して読んだファンタジーの原体験だと思う。やけに暗い展開に驚いたが、読んでいくうちにはまっていった。
このシリーズはなんといっても設定、そして用語がいい。とてもカッコいい。
<永遠の戦士>エターナル・チャンピオン。コルム、エレコーゼ、ホークムーン、一なる四者。<混沌>と<法>の神々。<宇宙の天秤>コズミックバランス。地獄の大公アリオッチ。英雄の介添人、永遠の都タネローン、そして黒の剣ストームブリンガーと姉妹の剣モーンブレイド・・・単語を羅列するだけでワクワクしてくる。
しかし今となって振り返ると物語は結構バラバラで、ドラマに深みがあるかというとちょっと疑問。今でいうとゲーム的というか・・・(もちろんこっちの方が元祖。)あくまでもこういう設定好き向けなのだろうか。そう思いつつ、とりあえず当タイトルを久々に読む。ナルニアの「さいごの戦い」同様、畳み掛けるように世界が滅びていくシリーズの最終話。主要な登場人物がガンガン死んでいき、混沌に蝕まれた世界が変容していく様、そしてラストのムーングラム、エルリックの死と最後のストームブリンガーによる名セリフ「さらば、友よ。われはなんじの千倍も邪悪であった!」!!
・・・しびれるなぁ、やっぱり。
ちなみに以前の訳では表紙が天野喜孝氏で、初期の「ファイナルファンタジー」ではだいぶイメージが被った。そういうファンもきっと多かったろう。