グエムル-漢江(ハンガン)の怪物-

試写会で見た。素直にいえる。これはいい作品。
怪物が徹底的にグロイ、キモイ。動きがマシンのように速く、愛嬌まったくなし(←日本人の感性とは違うかも)。で娘を奪われた家族が国家権力等々に追われつつ怪物と対峙、死闘を繰り広げる。妙に凝ったストーリーを用意せずシンプルに突き進む構成に好感を持った。
序盤、恐ろしい化け物の挙動に心揺り動かされ、中盤以降の情けなくも純な家族の戦いっぷりを応援できていれば、それであなたはこの映画の虜。

ただあらゆるひとにお奨めできるかというと、そうも言い切れないシーンがあちこちに。
怪物の怖さとか、ご都合主義的展開とかは、許容すべし。怖さはウリのひとつだし、面白くなるんだったら安易な展開も構わない。2時間ちょっとだけ騙してくれればいい。それより勿体無いと思ったのは、あえて王道展開を外して崩そう笑わそうとする妙な演出。ときには乾いた笑いだったり、驚きであったり。製作者のこだわりなんだろうけど、そこをツボと捕らえてくれない偏狭な「一般」客に受け入れてもらえるのか?惜しい気がするなぁ。