プロジェクトハッカー 覚醒(DS)

プロジェクトハッカー 覚醒
クリアしたので感想。
この手の推理系ADVは好みなのでもちろんデフォ買い。が、当初はなかなか盛り上がりに欠けた。購入前の印象は「絵柄もテーマも一昔前っぽくて正直地味」。序盤もご都合な展開で萎え。この作品、アクの強いヒロインを「明るいムードメーカー」ととるか「ウザいトラブルメーカー」ととるかで印象が随分異なるだろう。自分は後者だったので正直つらかった。シナリオライターは彼女を都合よく使いすぎ。

しかし主人公が組織に入り、解析屋女子高生や悪役顔警部らが絡んできたところでようやく話も安定。モバイル端末入手によりこのゲームの肝が見えてくる。類似ジャンルとして比較される逆転裁判が「擬似裁判モノ」とするならこちらは「擬似WEBモノ」。唐突な話題や単語もWEB でサイトを調べりゃ即解決・・って普段自分のやってることやん!!まぁネットに疎いひとには新鮮だろうし、ゲームシステムとしてはまだあまり見かけないしでなかなかいい線いってるとは思う。
※ただ、使いどころを他人の端末にアクセスするパスワード探しにフューチャーさせたのはちょっと違和感。シナリオ的に正当化されてるとはいえあんまりいい趣味とも思えないし、少なくとも自分はそこまで他人に類推されやすいパスワードにはしてないぞ。

毎度クライマックスに訪れるミニゲームは評価が難しいところだろう。テーマの本ネタ「ハッカー」を真面目にやったところで難解すぎるからアクションにしたんだろうけど、このゲームをプレイする人たちはそんなの望んでいないはず。バランス取りをかなり易しめに、良い雰囲気にまとめてはくれてるけど続編があるのなら別の見せ方を模索してもらいたいところだ。

個人的結論は「可」。序盤のヒキの悪さ、ご都合展開、シナリオとキャラの浅さ、ボリュームなどツッコミたいところは多い。でも「擬似WEB」システムは悪くないし(というか現代→近未来推理モノでは避けて通れなくなるのでは?)このジャンルが好きなのでそれなりに楽しめた。人に薦めるかは・・相手によるかな。

最後に。第一印象として「一昔前っぽい」と書いたけど、この作品実は意外とタイムリー。
「擬似WEBモノ」の本物(!)が体験できるDSブラウザー発売とタイミングが合ったのは狙ってできなくもないけれど、オチの展開と現実がなんとなくリンクしちゃったのは(そんなにズバリでもないが)製作側も驚きではないだろうか。