「ぼっち・ざ・ろっく!」と比べるものでもないのだけど、ロックという意味ではこっちの方が真のロックだ。ビターなほど。
目立つのはとにもかくにも主人公であるニナ。おとなしめ、少し遠慮がちなヒロイン。という見た目に反してこいつが暴れる。(フィギュアも怒っている。)リアルにものを振り回し泣きわめく狂犬ぶり。己れのエゴ、自分だけの正義を振りかざし「私、間違ってないですよね」。こんな外見でこんな性格になんてならねーよ、と。そして、東京…じゃない川崎で大学進学を目指し勉強していたはずが、路線変更。退路も絶ってロック一本の道へ。せっかくプロになれたというのにエゴを通して事務所退所。なんだそれ。
しかしそれが通用するのはこの作品がアニメという架空の物語で、その舞台がロックだからだ。反骨心上等。大人になんてならなくていい。己れの信じた道を突き進め。
しかし、この物語は架空であっても設定はかなり妥当な現実。エゴを通そうとあがくとむしろ夢は遠のいていく。最終話で、エゴを通し気持ちすっきり振り切ったニナと仲間たち。だがこの後に続く道はさらにしんどくなっていくはず。現実的展開なら金に苦しみバンド解散の危機などという泥沼になっていくに違いない。もちろんこの業界はヒットを飛ばして一発逆転もありうるが、それはそれで現実味が…。
ということでファンの間には続編が強く望まれている。自分はそのままの続きもいいけど、いったん視点を変えてライバルであるダイタスをメインにして、桃花脱退から今作の終わりを越えてその続きまで、という展開を希望しておきたい。(「閃乱カグラ」パターンという。)
曲は。歌うのが大変だけど、それでも歌いたい。いいのが揃ってます。
「雑踏、僕らの街」
OP。これでガツンときましたよ。なんだこのスピードは。
魂の叫びですよこれは。
「運命の華」も「視界の隅 朽ちる音」も、アニメで流れなかった「爆ぜて咲く」も
ダイタスの「Cycle Of Sorrow」も好きだけど、キリがない。