Wiiリモコンの使い方

Wii【メーカー生産終了】

Wii【メーカー生産終了】

Wiiはコントローラー(通称:Wiiリモコン)の新規性が売りだが、意外とこのリモコン考察を読んだことがないので、ちょっと自分なりに書いておきたい。
まずは背景から。
初代PSが登場してから良く問われたのが操作系の見直し。画面が2Dから3Dになったが、インターフェイスもそれに合わせて進化させる必要があるという議論。アナログジョイスティックが標準になりボタンが増えたことでなんとなく解決したような風潮になっていたが、ゲーム人口が減った理由のひとつはこの課題が未解決だったのが一因なことは間違いあるまい。自分だってPSの頃は目新しさで必死についていったがPS2になると面倒くささが先に立って遠ざかってしまっていた。本当はPS2GCの頃になんとかしなくてはならなかったのだろうが、Wiiでなんとか任天堂なりの解決策を提案してくれた姿勢には素直に拍手を送りたい。そんなわけで実際にはまだ触ってはいないものの、これまで見聞きしたところからWiiリモコンの新しい操作性を考察してみよう。

リモコン:ポインティングデバイス

DSのタッチペンの良さというのは単純にポインティングデバイスとして優れていることにある。その時点で必要な操作がアイコンとして画面にあり、それを指示するだけ。パソコンのポインティングデバイス=マウスだって今だに使われているのはそれだけ直感的に使える優れたインターフェイスと認められているからだ。なのでWiiコントローラーが未発表の時点でもこの機能がつくことは自分でも予想はできていた。「マウスひとつでできる簡単なゲーム」の類いはこれで足りるだろう。操作に凝る必要のないタイトルはこれでフォローできる。

リモコン:モーションセンサー

Wii最大の革新性はこれ。一旦ポインティングデバイスに特化した棒状のコントローラーに傾き検知機能。通常のコントローラーでならかつてMSが導入したことがあり、PS3にもついてるが(笑)、この形状によってこそ、その自由度が活かせるはず。PS3 のコントローラーで Wii Sports のテニスのような真似はおそらくできまい。ただあまりに革新的過ぎてどこまでの使用に耐えうるのか、という点が不安要素。この機能を活用したゲームがどれだけ多くでるかどうかで勝負は決まる。任天堂ならいろいろ仕込んでいると思うが、DSのようにうまくいくかはこの時点では不明としかいえない。
ちなみにポインティングデバイスと組み合わせで奥行きまで操作できるらしいので2Dしか対応できてなかったマウスを超える3Dマウスの実現に一歩近づく可能性もありそう。その観点でも夢が膨らみそうな気配。

リモコン:ファミコン持ち

リモコンを横にするとファミコンとほぼ同じ十字ボタン&2ボタンが使える。ファミコンレベルの簡単なゲームならこれで済ませてしまえるわけだ。もうちょっと欲を出してボタンを増やせばメガドライブとかスーパーファミコンぐらいまでは対応できたろうが、ここで止めたのはきっと正解。追加操作が必要ならモーションセンサーも活用できるし。

ヌンチャク

ライトユーザー向けならリモコンだけで十分、というかなるべくその範囲で収めるべきだが、現在あるマニア向けゲームにも対応させるために必要なアタッチメントとして開発されたのだろう。
「画面内の世界にプレイヤーの分身が置かれている。これを移動させつつ、分身自体にもさらになんらかの動きをつける(銃を撃つ、とか)」というのが良くあるゲームのパターン。「分身の移動」と「分身の動作」で2系統の操作が必要なわけだ。ファミコンの時代なら「分身の動作」はA/B ふたつのボタンで事足りたが、ゲームが複雑化していくなかでボタンを増やし、さらに3Dになると視点=カメラまで追加されそれこそ3系統の操作が必要となってしまった。その結果、FPSなどはアナログジョイスティックを2本最大限活用してのプレイとなってしまった。ゲームを楽しむ以前に高い敷居を才能&努力をもって乗り越えねばならないのだ。
Wiiリモコンにヌンチャクをつければ「ヌンチャクのアナログジョイスティック」+「リモコンのポインディングデバイス/傾き検知」+「各種ボタン」で3系統の操作が可能となる。「リモコンのポインディングデバイス/傾き検知」がどれだけ敷居を下げ、どれだけ楽しませてくれるのか、それを確かめる絶好の試金石が今度の「ゼルダの伝説」なわけだ。

クラシックコントローラ

どうあがいても昔からのコントローラーでの使用しか考えられないゲーム、もしくVC(バーチャルコンソール)で昔のゲームを遊ぶための保守的タイトル向けコントローラー。初心者のことを考慮した結果色や形状をかえってごちゃごちゃにしてしまったN64GCと違い、割り切ったシンプルなフォルム。しかしこれが活躍するシーンは任天堂としてもあまり想定したくないだろう。

・・・と、ひととおり書いてわかるのは、コントローラーの自由度の高さ。マニアご用達の複雑なコントローラーをいきなり初心者に触らせるのではなく、ゲームの難易度や特徴に応じその姿を変化させる柔軟さがWiiコントローラーのすごいところ。自分みたいなヘナチョコゲーマーとしては、あまりヌンチャクやクラシックコントローラーは使わず、リモコンひとつで遊べるライトなゲームとの出会いを期待したいところだ。以上。