ファイナルファンタジーXII(PS2)

本日はFF休暇最終日。62時間かかって、さっき(14:30頃)クリア。以下感想。

結論からいうと、今作は自分の求めていたものではなかった。常に変化しつづけるのがこのシリーズの特徴だし、作り手も違う。覚悟していたが、まさかここまでテイストの違うものがでてくるとは・・・。

自分が勝手に理解していたFFの肝は「ストーリーが主でシステムが従」であること。カスタマイズしまくりのシステム的なこだわりも売りだけど、それも物語を見せるための味付けのひとつ。ご都合主義で中二病チックと揶揄されようと、勢いある怒涛の展開を一気に楽しむのが好きで、わざわざ会社を休んでまでプレイしてきた、けれど・・。
今回は明らかにシステムが主だった。シナリオは確かにメッセージ性も苦悩もあってテーマとしての含蓄もある。ただつっこみどころがない、というかつっこむ余地もないほど語られていない。一向に進展しないのでまだまだ先は長いと思ってたらいつのまにか終盤だったという・・・。

それでは主であるシステムはどうだったかというと・・・これは確かに驚嘆ものではあった。FFの目玉であるATB(アクティブタイムバトル)を3歩ぐらい進化させたといっていい*1。けれどあまりに急激な変化で、ゲーム全体のテンポまで変わってしまった。これじゃあFFというより聖剣伝説では・・・まぁ慣れればプラスと言っていいかな。当初とまどったがザコバトルが快適で良好。もっともボスキャラ対決まで自動なのでひどく大味になってしまった気も。エフェクトが迫力あるのでそれなりに緊張感はあるけど、実質ほとんど見てるだけ。

というわけで。いいゲームだとは思うが、FFという看板がなければよかったのに、けれどFFじゃなかったらプレイしなかったろう、という微妙な思いが現段階での感想となる。
ちなみに10でなくなった「ファイナルファンタジーのテーマ」が今回のOPでいきなり復活したのも複雑な心境だった。10のときは残念に思いつつも「これだけシステムが変わっても、この曲をなくしても、FFはFFなんだ。」という作り手の強い自信を感じたが、今回の復活はむしろ「ずいぶん変わってしまったけどこれでもFFなんだ、よね?きっと」という不安がよぎり、そしてそれが当たってしまったような気が。
「CGなどの大掛かりな演出のゲームはいいゲーム」という、かつての風潮同様、そのシンボルであるFFも進化の袋小路に入ってしまったのかもしれない。

*1:ATBは、これまでコマンド主体であった戦闘に時間の概念を与えてリアルタイム性を与えたものだけど、どうしても時間を止めなくてはならない瞬間があった。それが「プレイヤーのコマンド選択」なのだが、考えてみるとコマンド選択のパターンは大抵決まっている。「通常は敵と戦う」「体力が減ってきたら体力回復」「空飛ぶ敵には魔法で」とか。ならばそのパターンを最初に指示書というかたちで登録しておいて、あとはそのとおり勝手に戦わせれば、時間を止めずに、完全なATBが完成する。というのが今回のウリであるガンビット