Nreal Air

自分は1996年に発売、購入した、ダイノバイザーをまだ持っている。

ゴーグルで大画面という夢はこの時点からあったのだけど、ここまでずっと放置してきた。こんな大きな装置、外に持っていけないし、長く被っていると重くて肩が凝るしむれるし、現実的ではないと思ってきた。

だからこの製品(Nreal Air) をたまたまネットで見て驚いた。ただのサングラス!76g!これなら使えるのでは?
知ってから2週間。しばし活用状況を想像してみて。これ以上は実際に買ってみないとわからない、という見解に至り購入。買いたいものは自分のために買えるようになったことだし、な。

一週間ほど使ってみて。まずは総括的な結論から。
大画面といっても、結局は「小さな画面を目の前に持ってきてる」にすぎないということ。小さい画面のスマホだって目の前に持ってくれば十分大画面なわけですよ。これはダイノバイザー時代に理解してたこと。でも、割と画質がいいのでそれはそれで楽しい。小しボケて見えるのは自分の視力の問題なんだろう。サングラスなので少し暗く、外界が透けてみえるのは解放感があってうれしい。変わった機能は特にいらない。画面を映してくれるだけでいい。ただ、ARモードでの画面位置固定があると使い勝手が数倍あがる。MAC版では対応したそうだが、WINDOWS PCでも、早く対応してもらいたい。

あとは接続媒体個別で。

スマホ(SH-51A)
推奨環境だけあって、いろいろ使える。期待していなかったARモードは画面位置固定機能が楽しすぎる。特に風景を見ながらの自転車モード!これだけでも十分だ。スポーツジムでも試してみた。ジムの自転車正面についてるモニタにも同じような機能はあるのだけど、画面サイズ、位置。没入感はこっちがだんぜん上。アプリ上だと動画の数はそんなになさそうだが、YOUTUBEで「ドライブ」とか「マラソン」などで検索した動画を流すだけでも十分通用する。Aircastingだと揺れちゃってブレブレになるので、ARモードのYOUTUBEで。ただランニングではさらに揺れすぎで、ARモードでもさすがに無理だった。ほかのトレーニング中でもハワイの風景とか流しながらだとはかどる気がする。(そのうち飽きるかもしれないが)

通勤電車でも試した。録画したAMAZON PRIME のアニメも普通に観られる。半透明の隙間から周囲を見られるがこちらをジロジロ見るひともいない。都内ではよほど変な恰好をしても注目されないからな。問題は音。このメガネ、耳元で鳴るのはいいけど普通に音が漏れる仕様。別途イヤホンをつければ解決するのだけど、今聞いてるのがイヤホンなのか、メガネなのかよくわからないので、気付かずに音漏れしたままというパターンが結構あって、それが気まずい。

エンタメ系のコンテンツは…。こんなもんか。たわいないミニゲームですぐ飽きた。


・自宅のメインPC(デスクトップ)
USB TypeCがないので、Nreal Adapterを繋いで観る。ハードディスクにため込んだ動画を観る、ぐらいか。寝ながらだらだら観るのはいいけど、Nreal Adapterのバッテリー容量が地味に気にかかる。あと。PCについてるテレビが観られるかな、と試してみたらだめだった。著作権対応らしいが、こんなことしてるから敬遠されるんだぞ。

 

・GPD WIN2(ゲーム特化UMPC)
USB TypeCはあるけど、ネットで見た情報だと使えないと書かれていたので、最初はNreal Adapter経由、HDMIでつないでみていた。ときどき動画が途切れたり、実用的でないなあ、と思ったのだが、ふと思い立ってUSB TypeC接続してみたら…普通に映るじゃん。快適。電車内でも大きい画面でゲームができる。素晴らしい。ただ、ゲームによっては全画面表示ができなかったり、が残念。こっちも著作権関係なのか、単に縦横比が合わないのか。

 

・ゲーム機
SWITCH とWiiUを試してみた。WiiUは、なんか画面の上部の一部が下にも見えていたり、少し気になる。SWITCHは全く問題なしだった。が、ドック接続が前提なので、外で使えず利用は室内限定。

 

・会社のPC(ノートPC)
エクセルだとか、別ウインドウを見ながらの作業が多いので、モニタ2台体制にしている。オフィスも店も自費でディスプレイ追加済み。しかし毎度引き出しから出して運ぶのが仰々しいと思ってたんだよね。Nreal Airをかけるだけで2台目ディスプレイが現れる。なんてスマート!という期待が今回の購入動機のひとつだった。メガネと目前のモニタが重なって表示される煩わしさは、レビュー記事で読んではいたが、やはり自分で体験してみないとわからないことは多い。
結論。やっぱりつらいわ。追加ディスプレイを持ってなければあるだけましにはなるけれど、当たり前だが追加ディスプレイの方がだんぜん使えるので代理にはならないかな。画面位置固定があればだいぶ違ってくるのだが。

 

ということで。なかなか期待はあれども「これは便利。誰にでもお勧め」というレベルには至っていない。アプリによって改善される可能性はあるが、メーカーのスピードはあまり期待できそうにない。他者がアプリ開発をしてくれるといいのだが、そういう開発環境は整っているのか?アプリを作ろうというDIYユーザーはいるのか?長い目でこれからの市場を見守っていきたい。

…それと。せっかく立体視できるのだから、MPOファイルを見られるようにして欲しい。(一般向けに説明すると、NINTENDO 3DSで撮影した立体視写真のフォーマット)立体視業界は見捨てられた市場だから期待しづらいのだけれど、自分は待っている。