東京オリンピックのこと

東京に決まったときはさして思い入れもなかった。もともとスポーツ観戦はあまりしないたち。
最初に興味を持ち始めたのはリオの閉会式。ビデオゲームやアニメなどの文化込みで日本を世界に紹介できるのは良い機会なのだなと。
さらに前向きになったのはNHK大河ドラマ「いだてん」を観てから。ドラマ自体も良くできていたが、やはり物事に対する興味ってのは、その歴史的背景を知ることから来ることもあるのだな。日本がオリンピックに出会い、参加、招致。一度は戦争で挫けたが二度目でついに実現。そのドラマで田畑政治の名言「名もなき予選で敗退する選手ですら、生涯自慢できる大会にしたい。共産主義、民主主義、後進国、先進国、黒人、白人、黄色人種ぐっちゃぐちゃに混じり合ってさ。純粋にスポーツだけで競い合うんだよ!終わったら、選手村で讃えるんだ!そんなオリンピックを東京でやりたいんだ!」を聞いて。これがオリンピック成功の図なのだな。今度の東京オリンピックでもそういう閉会式になることを期待していた。

しかし。…結果はずっと青天の霹靂続き。ロゴがパクリ、ボランティアの服がださい。真夏の東京でマラソンは無理。お台場の汚い海での競泳は無理無理。極めつけがコロナ。オリンピックの開催自体行なっていいのか、議論になるほど。

結果として開催したけどね。リオの閉会式からずっと期待していた開会式はボロボロだった。ひとつ前のテレビで過去の各国の開会式がどれだけ豪華だったか散々見せられたあとだけにがっかりもひとしお。暗い雰囲気でのスタートが、いつ開けて明るくなるかとずっと見ていたが、最後までパッとせず。反対が多くて演出家たちも乗り気になれなかったろうし、むやみに明るく豪華にすれば「こんなご時世に」とか批判で出たたろう。萎縮するのも仕方ない。閉会式も、ぐっちゃぐちゃに混じり合うことはできなかった。そりゃ感染リスクあるからな。

それでも。自分は開催に意味はあったと思っている。オリンピックの陰で、コロナ禍で苦しんでる人達を思うと軽々しく成功とは言えないが、この大会が誰のためかといえば、それは出場選手たちだ。オリンピックに参加するために人生の全てを懸けてきた彼らに対して、そのステージを維持するのが開催国の義務。多くのひとの犠牲と、膨大な赤字。それでも、この状況でそれを叶えられたことは誇っていい。不祥事つづきと国民の反対の合唱の下で希望を捨てず、黙々と働いた運営スタッフ(ボランティア含む)には拍手を送りたい。今までより一番多く実況を楽しませてもらったが、選手達のいきいきとした表情で実感できた。

ということで昨日からパラリンピック。こちらも最後まで無事に開催できるよう期待します。