実写系のゲームはそこそこ数あり(概ね失敗してるのだが)、その中でも群を抜く…リリースから20年たった今でさえ記憶に残り、一線で活躍している知名度の高いタレントをも揃えたこのゲーム。「ユーラシアエクスプレス」という広大なスケールを感じさせるこのタイトル。しかもCD-ROM4枚組というFF7と同じ枚数から想定されるそのボリューム。さらに言うなら、X1~X68K時代に、ノベルウェアを始めとした数々のゲームをリリースして自分としてもだいぶお世話になった記憶のあるシステムサコムが開発に関わっていて、しかもこの作品が同社が手掛けた最後のゲームタイトル(ノベルウェア最終作と位置づけちゃってもいいですか?)、と思えばどれだけ期待させる作品なんだ!……と思ってしまうところだ。が、実際のところは車両1両という閉鎖空間のなか。たった1件の殺人について、登場人物から話を聞き込んでいき2時間で解く。以上!というシオシオのボリューム感。「これぞ宝ビルアドベンチャー級」という言葉が浮かんでしまった。
※「宝ビルアドベンチャー」とは、MZ-1200用に発売された二本の連作アドベンチャーゲーム。自分が生まれて初めて購入したPC用ゲームタイトルでもある。メディアはカセットテープ。PART1は答えが分かると3分かからずに解ける最小ボリューム。PART2は唐突に始まるアクションパートが突破できず未クリアだが、ボリュームは相変わらず少ないかつ謎が理不尽らしく。これを体験したからこそ、その後の「不思議の森のアドベンチャー」には大歓喜したものですよ。
ただ。まあ。擁護の言葉も浮かぶんだよね。
全編実写動画はCDROMには荷が重い。それとコンセプトも他のゲームとは違う。
純粋なミステリを楽しむというより、美人の女子高生たちと目を合わせての会話。そこが推しポイントなのだから。相手は深田恭子、新山千春、榎本加奈子たちのリアルタイム女子高生姿ですよ!揃いも揃って態度がよそよそしいのはどうかと思うが。おまけのミステリーポイントは?まあ、ちゃんと辻褄合わせましたよってとこ。でも個人的には同時期に発売、購入した「アナザーマインド」の方がゲームとしてはよほど出来も良くてお気に入り。