機甲創世記モスピーダ

機甲創世記モスピーダ Blu-ray BOX

機甲創世記モスピーダ Blu-ray BOX

  • 発売日: 2017/11/22
  • メディア: Blu-ray
 

 リアルタイムで観て、心に引っかかっていた作品。
やるせない話が多かったが、意外と設定は興味深かったと思ってたんだよね。ぶっちゃけマクロスを意識しまくっているのは分かったんだが。レギオスなんてどう見てもバルキリーの亜流だし。登場人物が歌なんか歌ってたりするのも同じ。今考えてみると、エイリアンとの接触ネタというテーマでも被ってるんだよね。だけど手触りがかなり違う。マクロスは海軍+空軍のトップガン+アイドルでサイズとスケールがとかくでかい。ゼントラーディもでかかった。モスピーダは狭くて暗い。地球がすでに占領済みで敵からこそこそ隠れながらの冒険で。歌もアイドルではなくて場末のバー。でも考えてみたらどちらもどこかアメリカっぽい気がしてきた。(伏線)

きっかけはあんまり覚えていないのだけど、ともあれ久しぶりに興味をもって調べたら、今になって「新プロジェクト」とかやってるんだよね。つい最近だよ。びっくり。

www.tatsunoko.co.jp

しかも何気に本編がネットで見られる環境が整っていたのでずるずると見初め、ずるずると観終わった。2クールだからそんなに長くない。

で。今観ての感想だが。いいんじゃないか、これ。
暗い。やるせない展開。まあ批判はごもっとも。日曜朝のアニメじゃないよな。敵とは戦うというより逃げまくる展開ってのもカタルシスがない。しかし改めて「製作側の狙い」を意識してこの世界観に浸ってみたらどうだろう。なかなか魅力的ではないか。(住みたくはないけど)

異星人に占拠された地球。火星から降下してきた軍人スティックが、バイクで大陸を横断。目標は、敵の本拠地レフレックスポイント。そこで軍と合流し、敵を殲滅させる。序盤に5人の仲間と合流。うち2人(ジムとイエロー)は先に地球に降りていた軍人だが、残り3人の民間人(レイ、フーケ、ミント)?彼等がついてくることになった理由は…良く分からん。まあいい。でもそのバラバラの6人が共に旅を続けるうちに、絆を得ていく過程はいい。この過程がいいんだ。1話完結のそれぞれのキャラに基づくエピソードを重ねていくうちに絆が序々に結びついていくのがわかるんだ。

せっかくなのでキャラメモ
<軍人チーム>
スティック:彼が地球に落ちてきて、レフレックスポイントに着くまでの物語なので物語の主軸を背負っていることは間違いない。だが、地球降下時に婚約者を失った以外の彼の個人的ドラマは後半になるまでほとんどない。堅物の軍人さんだしな。

イエロー:今でいう男の娘キャラ。とはいえ素はまっとうな軍人さんなのでガタイは悪くないし男らしい…なのに女装をすると声も変わるし体形も変わる…おいおいおい。そして女性シンガーとして有名ってちょっと設定盛りすぎでは?もちろん作品内では目立つし活躍もするが、チーム内ではもっとも常識人で自らトラブルを起こすようなタイプではない。チームバランス大事ですから。

ジム:整備担当で前に出てこないモブタイプ。軍人やってるけど臆病で敵前逃亡した過去もあり。そういう点では軍人チームのなかでは凡人が一番感情移入しやすいタイプといえる。


<民間人チーム>
レイ:物語の大筋を動かしてるのはスティックだが、毎度の物語の主人公格はむしろ彼。とはいえ民間人で旅に参加する必然性がないうえに家族とかこのひとの背景が作品中に全くでてこない。気にすると謎が深まるが、概ねごく普通の感情移入しやすい一般人主人公青年という立ち位置なのだろう。明るくて、発想も縛られてない風来坊ってとこか。

フーケ:レイにあてがわれた一般人ヒロイン。ちょっとつっぱってて素直ではないがレイには簡単にデレる。ちょっとつっぱった一般人ヒロイン少女。旅の途中で彼女の故郷を訪れるので、彼女の背景はわりとわかるが、こんな過酷な旅についてくる理由は結局分からずじまい。

ミント:イエローに続く民間人側の化け物キャラ。13才のロリだが、自らの安定じた人生を求めてか、これぞという男性を見つけては、手あたり次第に求婚を迫りまくる。そしてもちろんフラれるかわいいかつウザイひと。戦闘にほとんど絡むことのできないお荷物だが、目立つ点ではピカイチ。番組の次回予告まで担当してるしね。旅の途中で現地民族のリーダーの息子と結婚してチームを離れたが、次の回では「離婚しちゃった」といって復帰。離婚の理由は一切語られない不思議。バツイチにつき結婚欲求は少し控え目にはなったが、飽くなき求婚の欲望を失くした訳ではなかった。


物語のナゾの核心は敵異星人、インビットの正体が進化していく生命体であるということ。地球に最も適した姿に進化させていった結果、人間と同じ姿になり、それこそ地球の人間と同じように、争う心を持つ者。美しいものに焦がれる者。そしてスティックのチームに途中参加して、チームの絆と愛情を育てていく者、アイシャ。とそれぞれ固有の性格を持つようになっていく。
最後には、人間の争う心に嫌気を感じたインビットの女王が地球を離れて大団円、というオチになるのだが、そのラスト周りは些か急展開。物語は打ち切りで終わった暫定版なので、そこは仕方ない。そのまま続いていたら、もっとこのテーマを突き詰められたと残念がるしかない。とはいえ、それでも「歌を歌ってデカルチャー」なマクロスよりは自分好みな設定・物語、なんだよな。

マクロスに絡んでもうひとつ書くと、イエローのシンガー設定。記憶では、毎度同じような歌=具体的にはEDのブルー・レイン(いい歌よ)ばかり歌っているイメージだったのだが、ちゃんと聴いてると、結構持ち歌あるんだよね。リン・ミンメイ並みには持ってて、地味ながら染みる歌が多い。これは収穫でしたよと、サントラを漁るわけだ。

で。大ネタが最後にくる。
マクロスが海外で複数作品とのセット&再編集され「ロボテック」というタイトルで大ブレークしてるのは知っていたが、セットになったその他作品というと…「サザンクロス」は知ってた。けど、そう。もうひとつがこの「モスピーダ」だったんだ。今回調べて知った。
なんでもマクロスの世界での少し先の物語ということになっているそうで。となると微妙にマクロスのパクリっぽかった設定が、日本では悪評の元だったけど、「ロボテック」としては俄然活きてくる。海軍+空軍のトップガンアメリカっぽいとするなら、実際にバイクでアメリカ大陸を縦断するのもアメリカ人向けの話ではないか。なるほど!彼等の絶賛を受ける訳だ。そして…そのタイミング自体はどうかと思うが「新プロジェクト」をやり意義もあるってものだ。
そんなわけで。


機甲創世記モスピーダ OP&ED (1080p)

モスピーダのOP/EDはもともと鉄板。この時期のアニソンでも突出して好み。売野雅勇 / 作曲 - タケカワユキヒデ / 編曲 - 久石譲 …なんですかこの豪華さは。しかも金田伊功のOPアニメときた。

その他イエローの歌で好きなのは

愛の小石


愛の小石

あと「モスパダの歌」も好きなのだけど、これはYOUTUBEに個別にないので…。