プライベート・アイ・ドル(PCE)

プライベートアイドル 【PCエンジン】

プライベートアイドル 【PCエンジン】

  • 作者: 
  • 発売日: 1995/01/03
  • メディア: Video Game
 

 この頃のゲームはほとんど、やっていないにしろ存在自体は知っているつもりだったので、最近まで全く知らなかったことがまずショック(この後、レアで知らないタイトルが続々出てくるわけで。いやー、レトロゲームマーケットも奥が深いわ)

推理アドベンチャーなのに一枚絵のサウンドノベルタイプでなく、見下ろしRPGタイプというところがまず斬新。しゃべるキャラは全員バストアップのアップ絵で表示され、声優の声つきなところ、さすがはCDROMである。

アイドルが探偵として事件を解決する、という話。ケバケバした90年代の絵柄も相まって懐疑的にならざるをえない安直さを感じたが、どうしてどうして本格的。ご都合主義的だというツッコミどころも全編に溢れているが、展開をスピーディーにしてくれてむしろ好印象。これはPCエンジンROMROMタイトルの名作といって差し支えないのではなかろうか。

個別な感想を書くと。(ここからちょいネタバレ)
立花刑事の活躍が光る。2話の序盤に船酔いおっさんという残念なキャラとして登場し、次に刑事であることが判明するが、主にトイレで吐いてるふがいない姿しかなく。それが2話後半に殺人事件が起きた後、「1話で死んだ主人公の友人の父親にして主人公の死んだ父親の同僚」という鉄板設定が明かされると、そこからはずっと頼りな存在としての大立ち回り。主人公の活躍もこのひとのバックアップあってのものだし、自分がおっさん好き女子だったら一発で惚れてたに違いない。

逆に少し残念だったのがAIキャラのナビ。主人公と一緒に行動する賢い相棒としての役割は十分果たしてくれたが、わざわざ導入されたSF的ギミックが事件のカギとしても、話の骨子としても使われることなく終わってしまった。仕様書が組織側に奪われてるとかあって、期待したのだけどね。きっと続編で扱うつもりだったんだろうなー。

NECにしろハドソンにしろ、企業としてヤバイことになっており、PCエンジン関連のコンテンツは他ハードより早めに保護していかなくてはならないんだろう。自分はリアルタイムでほとんど触っていないので思い入れは弱かったが、この作品をプレイして強く思った。ヴァーチャルコンソール化もされてないんでしょ?このゲーム。