スナッチャー(PC88/PCE/PS)

 

SNATCHER 【PCエンジン】

SNATCHER 【PCエンジン】

 

 発売当時、評判になったのは知ってる。そのあとの作品であるポリスノーツもプレイ済み。だが知ってるのは周辺情報だけでゲーム自体のプレイ経験一切なし。そういう思い出補正。

せっかくなので、出来と事情の異なる3機種(PC88/PCE/PS)をザッピングプレイすることにした。どう異なるかというと、PC88版は最初のオリジナルではあるが途中で打ち切りのように終わってしまう未完作品。続くPCエンジン版は完結するが、その終わり方はどうなのと物議があったっぽい作品。PS版はPCエンジン版の移植だが、原作者が一切関わっておらず微妙なアレンジのかかった作品。とのことだが、さて。

全体の感想を書くと、最初はこんなもんかなと思ったが終盤に近付くとなるほどそこそこ凝ってるわ、となる。テクノロジー用語の蘊蓄とこの時期の世界情勢の把握ぶりとか。でも中二こじらせ系シナリオだよな。美人と結婚済みのアダルトなはずの主人公が、女性を見るたびにエロい妄想・行動を繰り返すのは閉口。思春期童貞のガキかよ。もっともこのゲームのメインプレイヤーがまさにその思春期童貞層なので、この件についてはむしろ評判良いのも知ってます。プレイヤーがやりたいと思う行動をとれるようにしておく。大事なことです。

続いて機種別感想。個人的には当時の8bitPCに好感があるので印象としてはPC88版が一番良い。頻繁に訪れるディスク交換の面倒さ、途中で終わっちゃうの中途半端具合もむしろご愛嬌の範囲。もちろん、人に勧めるならPCE版を選ぶけどね。完成度も高いし、なによりちゃんと完結する。PC88になかった最終章=ACT3は、物語を終わらすための足早な展開が制作側の事情が見えて微笑ましい。ゼノギアスもそうだったな。登場人物の一人語りで設定説明。それでも。事情はあれどもキチンと話を終わらせるのは大切なことだよね。PC88版をリアルタイムでプレイしたユーザーのモヤモヤを体験せずに済んで良かった。PS版はPCE版の移植。ほとんど同じなのでPCE版と並行してプレイする価値はそれほど感じなかった。ただ批判される雰囲気も分かった。グロ規制とか、なんか「事情」が見えて原作者の意向、こだわりをいささかネグレクトしちゃっているんだよね。だけど今プレイしようと思ったら、PS版しかないからな。常識的に考えて。ネグレクトとは言っても、許せる程度。事情も分かるが、概ね原作を忠実に再現してるから、そんなに問題はないでしょ。問題といえば、途中に差し込まれるシューティングコーナーには参った。テンポよく進めているのに邪魔だし難易度も結構高い。移植が進むほど、機会も増え難易度も上がる。
何度も失敗続けてれば少しづつ難易度が落ちてくれてるらしく、それを信じて乗り切った。音楽はPC88版が好み。しんみりしたOPにいつ終わるのかわからないスタッフクレジットなどは元祖が一番。
結論。今となっては古典としての価値、かな。メタルギアシリーズにつながってるのでファンにはいいのだろう。次はポリスノーツかな。プレイ済みだが、話覚えてないし。