- 作者: ルーシー・モード・モンゴメリ,Lucy Maud Montgomery,掛川恭子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/05/16
- メディア: 単行本
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前作終盤では想像力を内に閉じ込めて現実的印象が強くなっていたアンがまた想像力を外に出し始めたり、前作最終回でリンド夫人が「パイ家の人間はもういないから、先生になってもそれほど大変じゃないよ」と言っていたのにちゃっかり新たなパイ家の生徒が登場してきたり、続編ならではの「設定変更」がちょっと気になった。前作は「孤児のアンがグリーンゲイブルズにやってくる」「楽しい日常を経て立派に成長する。大学奨学金までもらえることに」「マシュウが死にマリラの目も心配」「奨学金をあきらめアボンリーに残る」とちゃんと起承転結ができていたのだけど、今作は…ミス・ラベンダー絡みでひとつ大きなエピソードはあるものの、全体の展開がわりとまとまりが綺麗じゃない。1作の好評を経た続編ありきだからなのかな。個々の話は相変わらず読ませるのでいいのだけど。
この続きは「アンの愛情」。アボンリーを離れ、アニメ版からのイメージ拝借がしづらい。「赤毛のアン」からの仕掛かり案件もあと残っているのはギルバードとの恋愛決着だけだろうし、ますます読む気が減るのだけど。それでもそのうち読んでしまうのだろうか。