『火の鳥』のようだという話を聞いて、期待を持って観に行った。(平日はいいね。3人だけのほぼ貸切状態。)
感想を一言で言うと「火の鳥の居ない、火の鳥」でした。世界も時代も違う6つの物語で、それぞれ抑圧からの開放かな、そんな共通テーマは感じるが、芯の通った太い「繋がり」が見えない。ので、なんでこの6本をまとめてみなくてはならないのか最後まで判らなかった。どの話にも彗星の痣を持った主人公、とか各時代の話が本や映画とかで別の作品にもちょっと出てくるとかはあったけど、そんな些細なネタじゃなくてさ。『火の鳥 太陽編』みたいに「最後に時代同士がリンクする」までいかなくても「火の鳥を食らうと不老不死になる」みたいな共通のモチーフをどのエピソードにも入れるとか、もうちょっと仕掛けを考えて欲しかったところ。役者が各時代で別の役をやってるってのも輪廻転生というほどじゃなくてただのメイク&演技幅自慢の域を出てない感じだしな。
6本それぞれも、出来はいいけど佳作どまり。愕然とする驚愕展開は皆無でほぼ予定調和。まさに「クラシック」な物語の六重奏でしたよ。
- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/09/18
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (7件) を見る