Solatorobo~それからCODAへ~(DS)

このタイトルの前身、「テイルコンチェルト」(PS)は当時中古で購入している。

テイルコンチェルト

テイルコンチェルト

序盤で投げ出して積みゲー状態だが、そんなタイトルは結構あるので別にダメなゲームというわけでもない。タイミングが悪かったのだろう。クリアできなかったとはいえどこか妙にひっかかるこのタイトル、当時のものにしてはめずらしくメーカーによる紹介ページがある。(今でもある。)作り手に愛された作品だったのだな。その後、忘れた頃に「テイルコンチェルト」の世界観を共有するという、福岡県「消防・防災・安全」イメージキャラクター「まもるくん」のことも知った。それからさらに数年。見覚えのある絵柄のゲームが発売されるのを知った。それがこの「Solatorobo(ソラトロボ) それからCODAへ」だったわけだ。「テイルコンチェルト」発売からざっと12年経っての新作だ。

関係記事「【CEDEC 2010】作りたいゲームを作るための作戦〜サイバーコネクトツー松山氏」にあるとおり、「テイルコンチェルト」続編を長い年月を模索し、粘り強い執念でようやく実現したのだという。おそらくユーザーの要望よりもはるかに強いメーカー側のこだわり。「そういうの嫌いじゃないぜ。」即購入決定。先のゲームショウでも、こだわりから来る作りこみ加減を実感した次第。
ぼちぼちプレイしてまだ前半だと思われるが、「テイルコンチェルト」の登場キャラや「まもるくん」本人も出てきてなかなか楽しい。今度はじっくり進めてちゃんとクリアしようと思う。

この作品についてはもうひとつ。wikiで見ると「萌え属性」と分類されちゃっているが、コミック・アニメの系統、人間を動物で表す「ケモノ系」で世界を作っているのも注目に値するところ。個人的には。ムーミンあたりから触れてはいるが、最初に意識したのは宮崎駿の「名探偵ホームズ」あたりか。今年前半にはまった「ボスコアドベンチャー」や「宇宙船サジタリウス」もこの系統に入るのだろう。人間を人間として描くのではなく、あえて擬人化動物で表現することで世界をより「記号」として抽出して表す手法。優れた児童文学と通じるところがあるし、下手な萌え絵より余程一般に受ける方式だと思うのだが。もっとも今作では主人公が文字通り「人間」になっちゃうらしいので、↑のうんちくどおりでないのがちょっと興醒め。ま。そういうやり方もあるかな。

EMOTION the Best 名探偵ホームズ DVD-BOX

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ボスコアドベンチャー DVD-BOX<予約限定生産>

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宇宙船サジタリウス DVD-BOX 1

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[追記:2010.11.09]
クリア。世界観、キャラ、物語。突出しているわけではないが、そうあって欲しい基準にかなり近い、好感度の高い作品だった。街の風景や微笑ましいサブクエストなど作り手が楽しんで作っているのが良い方に向かったようだ。(ここからネタバレ気味注意)
割とシンプルな冒険の第一部が終わって、シリアスげな展開の第二部という構成。まさに自分のやりたかったパターンを踏襲しやがって。憎い!シリアスとはいえ欝度は程よく薄まってるし。ゲーム難度は下手ゲーマーな自分でも数回リトライすればなんとか突破できるレベル。限定版を買ったのだが、ラスボスまできちんと押さえた設定資料や、OP,ED テーマも入ったサントラも併せて相当な満足だ。
残念なのは1点。発売前に第二部の存在が告知されていたこと。一部が終わった時点でスタッフロールまで出していたので、事前情報なしならばかなり驚けただろうに。広報側も相当迷ったんじゃないかと思うが、売上のためには仕方なかったんだろうな。実際蓋を開けてみたら2万本?それは厳しい。このまま埋もれさせるのは勿体ないよー。