エンドレスエイト

1,2,8話を見れば良いとの助言もいただいてましたが、(最小限なら8話だけでもいいですね)自分は全部見た。「涼宮ハルヒの並列」の51回ループを思えば十分許容範囲だし。で、結論で言えば、自分は「全部見るべき」派。確かに2-7話は脚本は基本同じのようだが、絵コンテ以降が全部違う。演出が変わると見え方もこれだけ変わってくるという事例を見ているようで、楽しかった。「ガラスの仮面」でいう「同じ脚本なのに役者が変わると全然違う芝居」になっている、みたいな。もちろん脚本意図はそれほど逸脱しないのだけど、ちょっとしたセリフの追加から一部シーンの削除など、脚本に対しての演出・絵コンテレベルの自由度が分かった、ような。もちろんマニアックな楽しみだけではなく、ループが毎回同じではなく少しづつ違っているという演出上の効果を上げているのもいい。こうして8話の終盤、ループを抜けた瞬間のカタルシスは相当なものだった。
と、呑気に言えるのは、すでに事が終わってまとめて見ている立場だから。毎週ヤキモキしただろうリアルタイムな視聴者の気持ちを考えると、あまり誉められたものではないのは確かだな。けど時系列を壊して1シーズン放映するだけの実験的な作品なのだから、ある程度想定できた範囲だったかも。といえちゃうのも結果論か。
あとは個別印象を少々。
エンドレスエイト」のタイトルの意味がいまいちわからない。「永遠の8月」ならエンドレスオーガストだろうし。8/17-31のループだから「永遠の8日」でもない。アニメ版タイトルと考えると8回繰り返すので辻褄あうけど、原作からのタイトルのようだし。
「憂鬱」の初期印象としては、ハルヒは最悪だった。電波な女王様キャラとはなんて迷惑な存在なんだと。「憂鬱」ラストで世界設定が明らかになり、その印象は弱まった。視聴している自分にとって、彼女はもはや一人のキャラクターではなく、ただの自然災害、天災的立ち位置になってしまったからだ。今作でも、途中からSOS団員全員がループを意識するようになるが、彼女だけがほとんどアドリブもなく日々を繰り返す様は、まるでなにか機械のようで、長門有希以上に憐れに映ったことよ。それと、長門無表情キャラなのに、「そう」という発言にはわりと一生懸命に発声している感じがあって、そこが萌えポイントなのではと思った。なんてな。