「敗走記」・「総員玉砕せよ！」

敗走記 (講談社文庫)

総員玉砕せよ! (講談社文庫)

朝ドラ「ゲゲゲの女房」で扱われていたので、つられて購入。上野駅構内の本屋で購入したのだが、平積みがどんどん売切れになっていくところ、さすがドラマの人気だ。
妖怪ものが水木しげるのライフワークと思っていたし、実際そうなのだけど、氏にとっては「戦争もの」も人生において描かねばならない作品群だったのだよな。ドラマで扱うタイミングが終戦の日のすぐあと、ということで最初はあざとさを感じたつもりだったが、読んで反省。あざとい、などと言ってはいけない。当ドラマ必須のエピソードなのだ。戦争を扱った漫画はそれなりにあるが、実際に戦地の、それも最前線を生き延びた人間の作品だ。これ以上リアルな話はあるまい。
作品の感想は、ここでは書かない。書けない。教訓を読みとることすらできない。無様な死に方をした彼等はただそれだけの人間達だったのだ。けれど、彼等のそんな無様な死の先に、今の我らの生がある。