機動戦士ガンダムSEED DESTINY

最終回を有楽町でみた。*1

この回だけならそれなりに良かった。駆け足ながら主要キャラ、アスラン、シン、レイ、議長、タリア艦長、それぞれにそして前作のキラVSクルーゼの因縁にも決着がついたようだし。無駄死にもなかった。だけど全話を通してみると、正直不満が多い。

自由と運命、二つの正義にアスラン(及び視聴者)を巻き込んでみたり、それぞれに真と影となる対比があったりと複雑なテーマは見どころだったけど、そのためのドラマ作りが雑。
議長がラスボスだったり、ステラが途中でシンと絡んで死にそうだったり、レイがクルーゼのクローンだったり、ムゥが生きてたりってみんな序盤からの予想どおり。別に無理やり裏切らなくてもいいけど、そこに至るまでの過程があっけなさすぎ。一応点々と伏線ポイントは置いてあるとはいえ、線になっていない。絡まっていない。都合良く議長はラスボスになるし、レイはいきなり自分がクローンと明かす。
二つの正義のなかで実際に揺れたのはすでに一度は「自由」側に落ち着いているアスランだけ。元の鞘に戻ったのも展開としては普通すぎ。主人公であるべきシンが運命を乗り越え自由に至るのかと思ってたのに、ずっと過去に囚われ、最後まで悪の先鋒で終わってしまったのでは、前回キラやアスランが「真の正義」に目覚めたようなカタルシスは得られない。

前作SEED にはリアル感が乏しかった。整合性を気にしてドラマやテーマが弱くなるよりはそれもありかと肯定したが、今回はそのドラマさえも弱くなり、空いた時間を回想と総集編で埋められてしまったような気がする。ドラマにも期待していた身としては、残念なところだ。

*1:ギリギリでいったので2階席の後ろから三番目ぐらい。音は迫力あれどもセリフが聞き取れず、スクリーンは自宅で見るより小さいトホホ状態だったけど、イベントなのでそれはそれでよし。