Forget me not~パレット~(PS)

もともとはRPGツクールで作られたコンテスト作品とのこと。知らなかったなあ。
プレイして納得。心理学的なテーマ性。ゲームを進める独特なルール。そして衝撃なラスト。なかなか楽しめた。

もちろん、そういう経緯なのでボリュームは少ない。PS1のパッケージで出す意義は、現在の観点ではあまり感じられない。もちろん当時はこういうかたちしかなかったからね。

なんという幸運

少し早めに出たので結構ラッシュの時間帯なのだが、改札降りて、電車がホームに着くタイミングでドアに辿り着き、混雑を掻き分けて席に向かうと、何故かそこだけが空いていて、スルッと座り込めてしまうという。さらにそこは端の席で寄りかかれてしまうという。

何日分の幸運をこれで使ってしまったのか。

サクラ大戦(PSP)

レッドカンパニーものは、リアルタイムではほとんど触っていない。
が、最近はレトロゲームとして「銀河お嬢様伝説ユナ」「天外魔境 ZIRIA」「天外魔境II 卍MARU」とプレイしてきて、そろそろ「サクラ大戦」にも触れるべきかなと思ってはいた。最終的なきっかけは、ゲーム音楽CDを整理してたら、買ってろくに聴いていなかった曲を聴いてしまったことだった。

花咲く乙女

ああ。これはいい。古き良き歌謡曲といったたたずまい。これが「サクラ大戦」のエンディング曲なのか。いいねえ。OPの「激!帝国華撃団」は聞き飽きたぐらいだが。

機種はいろいろ迷ったが、PSPにした。全作遊ぶつもりならドリームキャストにすべきだったかもしれないが。リメイクのPS2版を除き移植差があまりないからザッピングプレイはなし。

で、感想。
ギャルゲーであることは知っていたが、ここまでビッグになったところを見るときっとそれ以上の熱いなにかがあるに違いないと期待したが、その期待が間違いだった。
今作はただのギャルゲーだ。もちろん、独特のオリジナルな世界観やアニメをうまく挿入した見せ方など、特筆すべき点は多い。が、それはすでに知っていた。知らなかったところが、知る必要のないものだった、というところか。

とりわけがっかりなのが戦闘シーン。タクティカルバトルなのはいいが、レベルアップや装備変更といった強化の余地が全くない。エピソード毎のバランスが整っているといえば聞こえはいいが、(ファーストプレイでは)手を抜けないということでもある。強化の余地がないから、早く終わらせるに越したことはない。ただお目当ての女の子をかばうことで女の子攻略に役立るだけという。世の中には自分のようにギャルゲーが合わないひとも多いと思うのだが、そういうひとたちのネガティブな意見が聞こえてこなかったというのは、それだけ住み分けがうまくいった作品だったということか。

個人的には正直あまり合わなかった。クリアはしたけどね。
2以降手を付けるとしても、結構先になるかな。

トロピカル~ジュ!プリキュア

そこそこ長くプリキュアを観ていると、「敵との闘い」と「日常」とのバランス感が肝だということが分かってくいる。プリキュアの物語の立てつけはヒーローものなので、闘いこそがメイン、日常は添え物。しかしそこは幼女もの。闘いがシビアになりすぎると怖いし、複雑な物語にはついていけない。かといって日常を楽しむ部分がばかりになるとまるで物語が進まない。そういう調整を毎年見てきた気がする。昨年のヒーリングっとは闘いをメインにしようという気概を序盤では感じた。しかし新型コロナにその試みは挫かれ、なんとか体裁を整えて終わった感じ。引き続きコロナを引きずっての開始となった今作も厳しい日常を忘れられる、「楽しい」日常シーンにバランスを傾けた作風になるのは予想していたところ。なにしろ南国トロピカル。闘いのテーマだって「やる気」ですよ。愛とか夢とか自己実現とかはいろいろ深堀りできるけど、「やる気」で何を語れというのか?
そんな不安に対して、制作側が用意した変則技は、主役たる人魚だった。
もちろん表の主役はキュアサマーなのだが、このひと「今やるべきことやる」という、「今」を見る姿勢こそ素晴らしいが、将来の夢を全く描けない、プリンセスプリキュアの面々が見たら幻滅間違いなしのひとで。厳しい未来を思うよりまずは充実した今を刹那に楽しもうと考えれば今の時代に合っているのかもしれない(本当か?)というのはさておき、そういう最初から最後まで何の成長もしない舞台装置的な存在にしかなっていない。対して女王になる夢をきっかけに人間世界と交わり、憧れ、人間になり、プリキュアになり。見た目もどこか田舎のお嬢様(人魚)がそこそこ垢ぬけた都会のお嬢様になるとか、人魚の成長がこの作品の肝になっていた。ただ、どこか不自然な感じがあったのよね。彼女含めた書くキャラの成長の動きが、書かれてはいたけどどこか作りものっぽいというか。そんな感じでちと評価しづらいこの作品。

歌は良かったです。
まさにトロピカルテイストなOPに、前期後期のED、映画の主題歌まで(←観てないけど)わりとお気に入りの歌が多くて個人的にそこは満足。

次作のデリシャスパーティ♡プリキュアはすでに3話ぐらいまで来たのかな。
意外としっかり作ってあるように見える設定。感情移入できる誘導キャラのおかまさん。すごい期待はしてはいけない気もするが、今のところわりと楽しめている。500Kカロリーパンチはぐっとくるし(現実には30分走っても150Kカロリーぐらいしか消費できないぞ)ぶんどるぶんどる言う悪の組織も微笑ましい。

機界戦隊ゼンカイジャー

45作めで過去作との関連があると聞いて、当初はゴーカイジャー的なレジェンド展開を期待していたが、そこはあっさり裏切られた。当時の役者を呼んでくるのは相当大変なことのようで、つくづくゴーカイジャーは奇跡的な巡りあわせで作られた作品だったのだな。今作における過去作からの引用は基本的にギアを使った技のみ。空を飛ぶ単純なもの(ジュウオウジャー)から芝居空間に引き込まれる風変りなもの(ジェットマン)まで様々で。不運な死を遂げた戦士ネタには本当に驚かされた。イエローフォー!こういうかたちでネタを仕込むというやり方もありなのだな。

こんなことができたのも、「全力でふざける」ゼンカイ脳な世界観設定があってこそ。脚本の香村さんも頑張った。これまではシリーズ担当でも一部のここぞというところでしか書いていなかったのに、まさかほぼ全話書いてしまうとは。公式ブログを読むとネタはスタッフ総出で考えたようだから、彼女の役目は話をまとめるだけで済んだのがよかったのかもしれない。(ネタがカオスだからまとめること自体しんどいとも言える。)縦軸が薄いが、各話の馬鹿話で十分楽しめたのもよかったのだろう。ルパパトでは「こんな話はいいから縦軸薦めろよ!」と思っていたものだけど。

キャストの話としては。まず主役の五色田介人のどっしりと安定した役。そこに、かわいい女性にしか見えないステイシーあり。(女装回を期待した声もあったかもしれないが、このひとが女装するとかえってはまりすぎて面白くないのでは?)素の天然が透けてみえるヨホホイさんあり。(あれほど間抜けな変身ダンスが格好良く見えるのは、すらりとしたスタイルと磨き抜かれたダンス技術によるものでは?)この三人が話の軸になっていたのはいい。が、その割を食ったのが4人のキカイノイドの皆さん。香村メソッドでしっかりキャラ立てできていたので空気にはならなかったものの、もうちょっと活躍の場を見せてほしかった。そんななかでもマジーヌさんは素晴らしかったことですよ。あんな無表情な能面なのに、声優さんとアクターさんの二人で見事に素敵なキャラに。#映えマジーヌも楽しんできたが、週プレでグラビアになるとのこと。これは買うしかないのか?(狂)

音楽の面は。渡辺宙明氏の曲が昭和特撮感ゼンカイで大満足。ただ、曲の数自体はかなり少ないイメージ。いや、曲自体は結構あるのだけど、少ないメロディのアレンジで使いまわし。往年の名作曲者が去っていくなか、新作で魅せてくれたこと。それは感謝しなくてはいけないか。

歌では、主題歌もいいけど個人的にはこちら。

ゴレンジャーOPと同じ、渡辺宙明+ささきいさお+堀江美都子ってなにそのミラクル。

2021年はこの作品で乗り切った。ありがとうゼンカイジャー。次作ドンブラザーズもさらにチャレンジングが続くようだが脚本:井上俊樹が最も心配であり期待であることよ。

カナカナ

西森博之の作品がドラマ化という情報を得る。「カナカナ」?知らないぞ?…早速読んでみた。

相変わらずどこかしらヤンキーものの匂いがするのが気にはなるが、今のところ(今読めた17話までは)そう思わせないハートフルな物語となっている。

少女を育てる独身男性という、どこかで聞いたような、そしてイメージしやすい世界観だが、設定にヒトクセあり。ヒロインである少女=カナカは人の心が読めるという特殊能力をもっているため、非常に大人びていること。逆にもうひとりの主人公=親的な立場のマサが、そんな彼女が心を読み切れない、純粋単純思考なオトナであり、良い意味でどことなく子供っぽい存在であること。表面と内面とでどことなく親子が逆転しているような構図になっている。…子供と書いてはみたが、そうも言い切れないか。現在のマサが好人物であることは疑いようもないが、昔は悪でヤンキーだったらしいと明示されているし、彼の怒ったときの怖さがまだ描かれていない。心が読みきれないのも何も考えてないからなのか、他に理由があるのか。そんな危うさを秘めつつ、周囲の善人たちに囲まれたホッコリとした世界観。5月のドラマ化にも期待だがまずは連載を楽しみにしていこうと思う。

西森博之「カナカナ」NHKで連続ドラマ化、元ヤンの眞栄田郷敦が孤独な少女育てる - コミックナタリー