ガイア幻想紀(SFC)

ガイア幻想紀

ガイア幻想紀

  • 発売日: 1993/11/27
  • メディア: Video Game

リアルタイムでプレイしていた「ソウルブレイダー」の続編…でいいのかな。
ダンジョン内のアクションバトルを進めていくうちに自キャラが強くなり、物語も進むという流れは同じ。そこに「超古代文明の遺跡」と「少年少女たちの冒険ジュブナイル」を絡ませたのが本作、という感じ。

キャラクター・デザイン=萩尾望都がどう影響したかは作品内では良く分からないが、オリジナル・ストーリー=大原まり子の影響は大きく、ちょっとしたエピソードのひとつひとつに心が揺さぶられる。というか、プレイヤーの心に爪痕を残すべく、えげつない展開がある意味見もの。それは奴隷制度だったり、自らの肉を提供する自己犠牲だったり。

プレイする価値はあったけど、問題は老いた自分がアクションをこなせるか、不安なことだった。ボス戦が来るたび自分に突破できるが不安が募りましたよ。特に万里の長城がきつかった。ともあれクリアできて良かった。

偽りの黒真珠→凍える銀鈴花(SW)

※「偽りの黒真珠」が1作目。「凍える銀鈴花」は続編というかシリーズ2作目です。


ファミコンの「オホーツクに消ゆ」や、その頃のミステリーアドベンチャーを意識したタイトル。荒井清和氏のイラストさえあれば雰囲気はバッチリ。あとはそつない音楽とそつないシナリオさえつけてくれればファンは入れ食いのはず。自分も含めてね。

とはいうものの、実際の手触りは「オホーツク」とは意外に違う。当時のファミコンのカートリッジはメモリは少なく価格は高い。つまりボリュームはそこそこなのに数時間でクリアさせるわけにもいかない。そこでところどころに意地悪な仕掛けを入れてプレイ時間を稼ぐのだが、これが詰まりになってテンポも悪くなる。

しかし現在は意地悪な仕掛けで時間稼ぎをする必要はない。いや、必要ならいくらでもシナリオのボリュームを増やせば良いのだ。かくしてこのシリーズはゲームというより読み物という方向に特化されたのであった。総論はここまで。あとは各タイトルの感想で。(多少ネタバレあり)


・偽りの黒真珠

伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠|オンラインコード版

伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠|オンラインコード版

  • 発売日: 2019/05/30
  • メディア: Software Download
 

 構想から実際のリリースまでに相当時間をかけたっぽい。出来を考えるに開発自体にそんなに時間がかかるとは思えず。察するに…。権利なんだろうなあ。
旅行の名所。その地域の雰囲気を紹介、ということは現地スポンサーを募ろうなんて発想は容易に思いつくが、しょせん地方の地場産業。それほどスポンサー費が稼げるわけでもない割に、余計な口出しばっかり増えてがんじがらめになっちゃったのでは?……なんてね。何の根拠もない邪推なので関係者がこれを読んでいたらお詫びしときます。でも、作品中に地方の名産をこれでもか、と出す割に実在固有企業/商品名が出てきてないっぽいあたりに邪推の余地が…。

出来に関しては。ともかく最大公約数的にファンが「これだよね」って思える内容を入れ込んだのが分かる。特にその期待を素晴らしく具現化したのがテーマソング。「儚(はかな)い珠(たま)のように」だ!JOYSOUNDのカラオケにも入っているのがうれしいところ(採点してくれないけどね)


伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠(Nintendo Switch)


もうそのままサスペンスドラマのエンディングで流して欲しい出来栄え。

もちろんシナリオ展開もイメージどおり。殺人事件に美女との出会いに温泉に。ラストのダンジョンも、オホーツクファン向けなのだろうなあ。そして「この人が犯人?それは嫌」な空気をにじませながらもそこには落とさず読者が傷付かない人間が犯人、と。悪く言えばテンプレどおり。一作目だからね。作り手の意思も分かるし、個人的にもそれでいいです。奇をてらったような余計な展開はいりません。


・凍える銀鈴花

犯罪組織の検挙が当初の目的。え?こういうのは殺人事件じゃないと燃えないんだけどなあ。展開もくどくてなかなか進まない序盤は正直辟易。しかし最初の殺人が始まったあたりから展開に緊迫感が出てきて誘拐阻止→犯人逮捕の流れはかなりクライマックス感があった。だからそこでラストでも自分は満足していた。使ってない伏線がちょっと気になったけど、満足していた。
…でも。そこからまだ続くのだ。残ってた伏線もひとつひとつ回収してきっちり、完璧に終わらせてくれたのは良かった。前作のテンプレ展開で我慢していたシナリオライターが今度はいい方向に奮起してくれたのだろうか。自分は大満足。1回目のエンディングで前作程度のボリュームだと感じたので最終的な全体ボリュームは前作の1.5倍ってとこかな?これは3作目も期待できるかな?

ちなみに今回のテーマソング。前作のキャッチーさにはだいぶ及ばない感じ。良い曲だとは思うけどね。


「秋田・男鹿ミステリー案内 凍える銀鈴花」プロモーションビデオ Nintendo Switch

 

2020

一年を振り返ってみて「まさかこんなはずではなかった」と、おそらく地球上の誰もが思っているのではないだろうか。バラバラで広い世界の人々との間に、こんな共通の認識が芽生えることがあり得るなんて。そういう意味では一生のうちでも貴重な体験をした一年だったと言えよう。もちろん二度と味わいたくはないし、早く終って欲しいんだが。

100年に一度の大厄。昔なら局地的なものだったろう。100年前のスペインかぜで初めて世界中に広まる実績が出来たのだろうが、その反省が活かされることなく今回の新型コロナ。戦争、地震、台風。さまざまなリスクに対して備えてきたはずが、この件についてはさっぱり。予見はできていたはずなのに。100年前とは事情も違いすぎるし、あまりに影響が大きすぎて備えようもなかったんだと思う。
感染を減らすには経済活動を止めるのが一番だが、そうすれば経済が死ぬ。経済を優先すれば感染者と医療が死ぬ。まさにあちらを立てればこちらが立たず。どっちも大事なので政府や自治体が大局見てバランス見ながら調整するしかないんだが、それぞれの最前線はどっちも「殺す気か?」と大騒ぎ。もちろんどちらも大切なんだよ!まさにこの世の地獄(今ニュースで東京感染者1300人越えを報道。うわ、ついに来ちゃったよ。)

もちろん境遇はそれぞれ。地方のコミュニティ繋がりの薄いひとには縁遠いかもしれないし、会社や店が潰れて収入ピンチのひとも多いだろう。自分も業種的には大ピンチ。収入なんて…もちろん語れはしないが傍からもヤバイと見えるだろう。その点は会社がしっかりしているので直近ではまだなんとかやって行けてはいるものの…。来年も年明け早々大変になることが判明しているので、頑張らねば。働けているうちがなにより。

ともあれ。今晩除夜の鐘を聴いたあと、恒例のスーパー温泉に行くか、迷うところ。なにせ1300人だからな(東京の話ですけどね)。

ちなみに。ゲームは、ほとんどレトロゲームで済ませた。サクナヒメは貴重な最新ゲームプレイでしたわ。

天穂のサクナヒメ(SW)

天穂のサクナヒメ-Switch

天穂のサクナヒメ-Switch

  • 発売日: 2020/11/12
  • メディア: Video Game
 

今年の春にニンテンドーダイレクトで見た段階で気になってはいた。だが、同じタイミングで出るゼルダ無双もあるしな、後回し…になるはずだった。それが発売後の想定外なブレイク。リアルな稲作、という話にがぜん興味が湧き同時プレイに。面白さもゼルダ無双以上だったので、優先プレイに切り替え。そしてクリア。いいゲームだった。

ここからは、稲作>アクション>世界観>音楽という流れで語っていきたい。

まずは稲作から。本来は地味なこの点が逆に特殊な評価を得て知名度が上がった。実際に田おこしから始まり、苗床、田植え、分けつに伴う水量調節、稲刈り、干して、脱穀、精米。工程はこんな感じかな。肥料はフルMAX(トライフォース)にしがちだが、収穫数より味や香りを優先するならそういうわけにもいかない、とかそのあたりからリアルさを増していく。難易度を最低にしてたからか、じっくり年月をかけたからか、あまり気にせずに済んだ。ただ。台風の時期にわざわざ田んぼを見に行ってお亡くなりになる農夫のニュースを見るたび、どこか愚かに思えたものが、その気持ちが良く理解できるようにはなった。水がその年の米の出来を大きく左右する。そりゃ気になるわ。

次にアクション。羽衣バトルは軽快で普通に楽しい。必殺技で周囲の敵一掃も快感。ただ、羽衣で後ろを取るのが楽しいのに、後ろ足で蹴ってくる鹿にはうんざり。こいつ前からだと角で攻めてくるし。死角作れよ。難易度は低いし、年月かけて米作ってるからか程よい厳しさ。ボスキャラなんてほぼダメージなしで戦えて楽々。ただ羽衣やジャンプを微妙なタイミングで操作しないと進めない場所ってのは難易度関係ないからな。ここは不快なポイントでしたわ。

そして意外と評価の高いのが世界観。(ネタバレあり)
和風かつ二つ世という世界観はうまい作り。神の世が豊かになれば人間の世界も穏やかに。それもサクナヒメによる賜物。豊穣の神(稲作)と武神(アクション)の血を引くというゲーム性に即した生まれ、そして始めは酒癖の悪い怠け者が土地と民を持つことで絆と自覚を持ち、成長していく主人公=サクナヒメのキャラ設定は完璧。
一方人間たちは、構成的には大人男女、子供男女、そして赤ちゃんという「家族構成」なのにそうならない癖のある面々が集まっていて、彼らが不安定ながらうまく調和を成していく過程もいい。個々に感想を述べておきたい。

田右衛門:「たうえもん」って出来過ぎなネーミングもあだ名となれば納得。
彼も侍かつ野良仕事好き、とサクナヒメと関連する属性を持つが、このひとが活躍するようではゲームは面白くならない。どっちもテンで駄目な役立たず、と思わせておいて彼にはその知識と心の大きさというサクナヒメを導く属性がちゃんと備わっているのだった。成長など全然なく、だんだん彼の良さが浮かび上がってくるというところも成長キャラ、サクナヒメと対照的。

ミルテ:食事の作り手。貴重な大人の女性キャラなのに外人聖職者というキワモノ設定なのは勿体ないところ。ただ、それを彼女の属性にすべきだったかどうかは別として、外部からの視点という役割は非常に重要。和風ファンタジーというやんわりな世界観も彼女の目で評価されることで際立ってくる。

きんた:鍛冶屋。素朴で平凡。荒んだ人の世の代表であり、彼がサクナヒメと共に成長していくことで、人の世も同じように強く大人になっていったのではないかと推測できる。

ゆい:織物屋。貴重な美少女枠だが、この人はキワモノ。というか獣?だからな。その分一番理解しづらかったキャラ。きんたを慕っていたはずが、ラストは別々の道を行くってのもな。人として成長し始めた、ということなんだろうか。

かいまる:本当は幼児だか、心身のショックで実質赤ちゃん。その分無垢度は高く、家畜を連れてきてくれる。また、荒んだ世をリセットさせる切り札でもあったってことかな。

特に好きなエピソードは「田植え」と「ラスト前」。
不平不満を歌で紛らわして田植えに専念する、という田植え唄の話が日本の農業の歴史と実際に重なるのかは調べていないが、そうなんだと非常に納得度が高かった。前半のグダグダになりがちなシーンだが、その説得力でしっかりと見られた。もちろんこれをきっかけに一同が少しづつ絆を培っていくわけで重要なシーンには違いない。

そしてあえて書きたいのが、ラスト前。日本の米の話を描くのであれば、神への感謝の儀式としての祭りは必須。そこをちゃんと表現してからラスボス出現→成長したサクナヒメの頼もしい口上→一同の田植え唄での見送り→ラストバトルへの覚悟をもった出陣の流れよ。自分の記憶ではなんか太平洋戦争へ赴く兵士たちのような印象を受けたが、もっと昔の農民兵らの出陣もこんな感じだったのかもなと、メンタルに響いた。

音楽。もともと和風の曲は雰囲気に特化してメロディは弱いのではないかと思っていた。実際そういう曲も多いのだけど、春先に流れる「萌(めばえ)」や収穫期の「稔(みのり)」など、なかなか気持ち良い穏やかな曲もあって嬉しい。もちろんバトルテーマの「暴(あばれ)」や「戦(いくさ)」もいい。そしてもちろん、このゲーム全編にちりばめられたテーマ曲、「ヤナト田植唄」。序盤の「田植え」シーンで聴いたあと、絶対にエンディングでも歌うはず、と動画探して聴いてしまったので、終盤になって「第二主題も実は田植え唄の一部だった」という衝撃を味わうことは出来なかったが、うむ。期待どおり。民謡のうまい方に歌ってもらって良かった。


天穂のサクナヒメ ED (ヤナト田植唄・巫)

海外版も日本語のままだと思われるので、外国のゲーマーに日本の民謡の味の一端を知ってもらう良い機会になったのではないだろうか。という自分も民謡の良さを知っているとは言い難いのだが。

※なお、音楽については作曲者自らブログにて解説記事を執筆。必見すね。

perfectvanity.at.webry.info

こんな名作がほぼ2名によって作られた、ということには驚愕を禁じえなかった。そりゃモンスターの種類がちょっと少ないとは思ったが、十分なボリューム感。Switchになってから、だいぶインディーズっぽいゲームを見る機会も増えたが、これまでは正直甘くみていた。こころざしと実力、そして根気があればここまでできるものなのだな。次回先も(当分先かもしれないが)期待しておきたい。

今年は和風ゲームとしてGOHST OF TSUSHIMA が話題で。任天堂ユーザーの自分にはプレイできないのが残念だったが、「天穂のサクナヒメ」も、規模と種類は全然違うものだが、あえて比肩して語れる今年の和風ゲームと言えるんじゃないだろうか。

最後に。パッケージの豪華版にはサントラは付かないものと看做していたのだが、PS4には付いてたのな。悔しい。いろいろと事情は察するが、それはそれとして感情的に悔しい。なのでチョメチョメしてMP3版を入手してやったわ!ふん!

ウルトラマンZ

ウルトラマンZ Blu-ray BOX I

ウルトラマンZ Blu-ray BOX I

  • 発売日: 2021/01/27
  • メディア: Blu-ray
 

そもそも評判良さげなのは感じていたが、某イベントでの話も聞いて興味をもって見始めた。半月くらい前から。アマゾンプライムでえっちらおっちら観ていき、最終回まで閲覧完了。リアルでもちょうど放映終わったばかりのタイミングだったので、余韻ぐらいは共有できたかと。

想像した以上に良かった。平成以降はネクサスしか見ていないので(←これがとても特殊なのは分かる。作品の質は悪くはないが、あんなテンションではシリーズは続けられまい)平成以後のウルトラシリーズの評価はできないが、今作に限って言うと、今やっている同時期の仮面ライダースーパー戦隊より上と言っていい。

群出する怪獣たちに対してロボット兵器で立ち向かうという防衛隊側の設定が斬新。かつ納得感高い。そりゃ、飛行機やロケット砲みたいな武器で立ち向かうより、巨大ロボットによるプロレスに持ち込む方向に進化するのは妥当な判断だ。おかげでウルトラマンと共に戦うという親近感も出せるし。
そういう設定に慣れた頃に主人公に戦う意味を問わせることでキャラクターのドラマに深みを増す。(平成には怪獣を殺さない、というウルトラマンもいたと聞くが(コスモスですね)、殺さざるをえない中での矜持を得るという立ち位置の方が現実論に近いと思う)トラウマの元となった死んだ父を直接訪ねるところは今作一番の名シーンかもしれない。幼い頃のキャッチボールでボールを取りに降りた父がなかなか戻ってこないところがまさかここに繋がるとは。ゾクゾクした。
その後、ウルトラQ(=「2020年の挑戦」にこんな続編が!)やエース(=ウルトラマンAtoZか!)など過去シリーズとのつながりを意識させた後、ロボット兵器という設定を突き詰めた終盤展開。ラストのクライマックスもカタルシスのある熱い展開だった。隊長の動きがちょっと読みづらかったが、過去作からのキャラで、勝手気ままに生きてるひとと解釈した。狂言回しみたいなもんかな。

最近本当に思うのは、やっぱり物語の雰囲気の鍵を握るのは主人公のキャラだよなと。今作のハルキは空手好きの素朴な後輩キャラが悩み成長していく物語を楽しませていただいた。
あと、特撮。怪獣<>ウルトラマンの巨大さをそこそこのコストで意識させようという表現がとてもいい。(たまにやりすぎに思うこともあったけど)スーパー戦隊のロボ戦でもこれぐらいのことをしてくれなきゃ、と考えてみたが、そういえば先日のキラメイジャーでもそんなシーンがあったな。お互い影響し高め合うってのは素晴らしいね。

先生を消す方程式

無茶苦茶だ。

殺そうとしても簡単に死なない教師。そこまでなら苦笑いで済んだ。しかし、殺された後もゾンビになって蘇る教師。荒唐無稽なドラマ。だが、伝えたいものがちゃんと提示できてれば、面白ければ、突き抜けてれば、それは駄作にはならない。迷作かつ名作は、あり得る。このドラマが名作とまでは流石に言わないが、ぐっと引き込まれたし十分楽しませてもらった。

そういう作りの作品、前に見たことあるなと思い出したのが「暗殺教室」だ。殺される対象の教師が自分を殺そうとする生徒を教育していく。こちらの主人公教師はゾンビどころか異形の化け物でぶっとび具合も全然違うがもしかしたらこのドラマはそのコミックを意識して書かれたのかもしれない。(証拠はありません。あくまでも個人の感想です。)

なお、このドラマを見るきっかけになったのが生徒役の高橋文哉。仮面ライダーゼロワンの主役だった俳優だが、髪を下ろすとイケメン度がアップするのは歴代のライダーを踏襲している。微妙な出来の作品だったが、彼の好感さが作品の悪印象を幾分和らげていた。叫ぶシーンばかりが印象に残るのはゼロワンの悪い癖だが、良い役者に育ってもらいたいものだ。そういえば、このドラマにはルパパトの奥山かずさも出演してたけど、悲しいぐらいに今回はたいした活躍がなかった。芸能界は厳しい。

marukun.hatenadiary.jp

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ムーンライトシンドローム(PS)

ムーンライトシンドローム

ムーンライトシンドローム

  • 発売日: 1997/10/09
  • メディア: Video Game
 

トワイライトシンドローム』の続編的立ち位置に立っているが、必ずしもそうでないものとして作られてるし、続編であることを拒否するファンも多いと聞く。今回はそんな評判を十分に理解してからプレイしたので冷静でいられたが、自分もリアルタイムにプレイしてたら、納得できなかった可能性は高いな。

前作であれだけ感情移入した3人のキャラがどこか悪い方向に改変されて、あんなラストじゃな。浮かばれない。

ゲームの出だしで、トワイライトの中心的舞台であった校舎を取り壊し、近代的建築で立て直し、ということで「今回は違うものをつくる」という意思表明ははっきりしているのだけど、そもそも作品の手触りが違う。前スタッフが作り上げた世界観を引き取ることで、ファンと前評判を引き継ぎ、それをぶち壊してみせることで己れの作家性を強調する。悪趣味な話ではあるが、その悪趣味込みでこのひと、須田剛一氏の魅力なのだから。

作品自体の感想はあんまり語らない。良く分からない部分が多いし、作ってる方もわからせようと作っていないから。とはいえ表層的に断片的にメモ。

舞台は昼こそ校舎だが、すでに前とは別のもの。(科学室だ図書館だとあちこちに行かされるが、場所は示されない。登場人物には周知だが、プレイヤーは全く分からないので無駄に彷徨う羽目になり。それがプレイ時間の大半となる。)夜は主にクラブで変なビートを聞かされる。

前作ではあえて顔を出さなかったのに、今作ではアップ多用。稚拙なCGで、なおかつ描き分けができていない。プレイヤー側のキャラは相変わらずテキスト表示だが、「他人」として出てくるキャラの発言は音声で表現。これが不気味さの点で良い雰囲気を醸し出すことに成功している。


音楽は、ボスキャラたる謎の白髪の少年のテーマがいいかな。
※30秒後あたりから


#22.[Moonlight Syndrome] ムーンライトシンドローム:遭遇 白髪の少年 [Mitra]


なお須田剛一氏の作品としては、以下プレイ済み。

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「自分は嫌いじゃない」と書いたものの、プレイにはすこし覚悟がいる。NO MORE HEROES 2Wii版購入済だが、積んだまま。Switch版をプレイすべきか…。